■五合目、吹き付ける風雨

9日（金）夕方、富士山五合目に着いた一行を迎えたのは、激しい雨と強風。
「さすがにこれは無理！」と誰もが思う中、ガイドさんの「とりあえず仮眠所まで行きましょう。まずは目の前の敵をやっつけましょう。」の一言で、七合目に向かって出発。最初は吹き付ける風雨に不安を感じていた選手たちも、富士山の怖さを知らない外国人選手に引っ張られ、互いに声を掛け合いながら山道を登り始めました。

■七合目、短い仮眠

七合目の仮眠所に着いたのは、出発から約2時間後の午後8時半、着ていた服もリュックの中身もびしょ濡れでしたが、夕食のカレーライスを飲み物のように流し込むと、その先の長い道のりを想いながら短い仮眠につきました。

■八合目、励まし合いながら頂点を目指す

深夜12時過ぎに仮眠から目覚めて山小屋から出ると、それまでの雨がうそのように止んで、満天の星空と見事な夜景。ご来光を山頂から拝むために急遽予定を変更し、出発を約1時間早めて、午前1時に再び山頂に向けて登り始めました。天気が回復して浮かれていたのも束の間、薄い空気と急な岩場にみるみるとペースが落ちていきます。八合目あたりからは口数も減っていきますが、それでも元気な選手が疲れの見える選手を励ましながら頂点を目指しました。

■ついに山頂へ！

先頭集団が山頂に着いたのは10日（土）の午前4時前、それから約30分後の日の出までには、すべての選手が山頂に辿り着きました。山頂で集合した選手・スタッフ全メンバーは、それまでの苦しい道のりを力を合わせて乗り超えた達成感を味わいながら、地平線から昇る美しい太陽に今シーズンの躍進を誓いました。