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キヤノン ラグビー フットボール クラブ 選手インタビュー
vol.19 吉田 健 『トップリーグ昇格に貢献したい』
――初めてのリーグ戦が終了しましたが、どうでしたか?
やっぱり三菱重工さんや東京ガスさんとの試合は苦戦しましたし、難しい試合でしたね。
――シーズン前に怪我をして、不安もあったのではないですか?
夏合宿で肘を怪我して、今シーズンはダメかなって思っていましたが、メディカルのメニューに沿ってリハビリをして、シーズンが始まった後になりましたが、予定よりも早く復帰できてよかったです。
――怪我は多い方ですか?
大学1年の時に右腕をやって以来です。社会人1年目でまた怪我しましたね。かなりへこみました。(笑)
――何がその気持ちを前向きにしてくれたのですか?
やっぱり同期が試合に出て活躍しているのを見て、自分も早く出たいって思いましたね。あと大学までは外国人選手とプレーしたことがなかったので、早くチョコさん(アリシ・トゥプアイレイ)やアリ(アルベルト・ヴァンデンベルグ)、ブルーシー(カラム・ブルース)達と一緒にプレーしたいって思っていたので、その思いが前向きにさせてくれました。
――初めて外国人選手と一緒にプレーしてみて、最初はどう感じました?
最初は簡単な英語も聞き取れなくて、他の人に教えてもらったりしていました。プレーに関してアドバイスをくれるので勉強になります。
――JAL戦で初めてリーグ戦に出場しましたが、いかがでしたか?
豪雨の中での試合でした。雨の日の試合って本当に嫌いで(笑)、結構ミスもありましたが、スタンドの友基さん(今村)が声を掛けてくれたので、なんとかフル出場できました。
――リーグ戦ではリザーブからの出場もありましたが、先発での出場とは考え方も違いましたか?
先発の時は試合の流れを作って、そのまま最後までプレーしたいという思いでやりますが、途中から出るときはリズムを変えるような指示が多いので、そこに気をつけてプレーしますね。試合に出るならば、やっぱり先発で出場したいですね。友基さん、田原さんから学ぶことがたくさんあります。
――永友ヘッドコーチもスクラムハーフでしたが、プレッシャーを感じますか?
だいぶありますね(笑)。練習中にもいろいろ言われますけど、スクラムハーフの目線で見てくれているので、勉強になります。
――リーグ戦を経験して、成長した部分はありますか?
試合に出ることで反省点も出てくるので、そこを次までに修正していく、ということを毎試合しています。それでチームが全体的に成長していると思います。僕としてもシーズン前よりも少しは成長できていると思います。ただ上に行くにはもっともっと練習しなければいけないと思いますし、体も小さいので筋トレで大きくすること、あといろいろな試合を見て、学んでいかなければいけないですね。
――具体的にどこを強化していかなければいけないと思いますか?
状況判断ですね。あと大声を出しているつもりでも聞こえないって言われるので、もっと声を出して、周りに指示を出せるようにしていきたいと思います。
――ラグビーは何歳から始めたのですか?
高校からです。小さい時は水泳、小学校の時にサッカーとバスケットをやっていて、中学ではバスケットだけをやりました。高校(関商工高校)に入ってもバスケットをやろうと思っていましたが、バスケット部が弱くて、それにラグビー部のコーチが僕の父親の中学、高校の同期で、仮入部をしたらそのまま知らないうちに入部したことになっていました(笑)。
――バスケットへの未練は無かったですか?
無かったですね(笑)。バスケットでのポジションは、体が小さかったからポイントガードをやっていました。
――高校でラグビーを始めて、最初のポジションはどこでしたか?
ハーフです。「お前はスクラムハーフだ」って言われて、ハーフの特訓が始まりました。そこからずっとスクラムハーフをやっています。
――ポイントガードをやっていたので、スクラムハーフもやり易かったのではないですか?
試合を作るという部分では、そうかもしれないですね。スキルの部分は先輩のプレーを真似て練習していました。
――サッカーでキック、バスケットで試合を作ることをやっていたので、その経験を活かせましたね?
バスケットの練習が凄くキツかったので、そのおかげでスタミナはついたと思います。
――そのおかげでラグビーの練習は楽に感じました?
いや、やはりラグビーの方がキツかったですね(笑)。高校では朝練があって、朝からランパスを10本、午後もランパスから練習が始まっていたので、キツかったですね。
――初めて試合に出場したのはいつですか?
高校2年の新人戦から試合に出られるようになりました。そこからはコンスタントに試合に出ていました。
――花園への出場はありましたか?
当時、12年か13年連続で花園に出場していたのですが、僕が3年の時に、岐阜工業高校に負けて、その連続記録を止めてしまいました。かなり悔しかったですね。その試合はいまだに思い出したくないです。OBにも「記録を止めた代」って言われましたからね。
花園での成績は、1年の時も2年の時も1回戦は勝って、2回戦でシード校に負けてしまいました。
――やはり高校でいちばん記憶に残っている試合はその試合ですか?
そうですね。ただ3年の時には国体に出場することができて、その時の東京代表に直志(清水)も出ていたと思います。その時はまったく知らなかったですけどね。
――大学は中央大学に進みましたが、中央大学を選んだ理由は何ですか?
スクラムハーフの人数が少なくて、頑張れば試合に出られると思ったのが選んだ理由です。高校の時は練習時間がすごく長かったのですが、大学になって2時間~2時間30分くらいで、その中で内容の濃い練習をしていました。それには驚きを感じました。でも毎日違う練習で楽しかったですね。あと上下関係がなかったのも驚きました(笑)。
――大学でスタメン出場したのはいつですか?
2年の時です。ただ2年のリーグ戦の最初の2、3試合はスタメンで出て、その後からスタンドオフとセットでリザーブになってしまいました。出られない試合が続いたので落ち込んだ時がありましたが、そのハーフの人が4年生だったので、翌年にはまたスタメンで試合に出られるようになりました。
――大学での成績はどうでしたか?
大学2年の時に、大学選手権に出場することが出来ましたが、1回戦で早稲田大学と対戦して負けてしまいました。その他の時は全部リーグ戦6位でした。今年の中央大学はリーグ戦4位になったので羨ましいです(笑)。
――大学時代にいちばん思い出に残っていることは何ですか?
中大は上下関係もなくフレンドリーだったので、みんなでいろんなところに行ったことですね。近鉄に行った坂井(佳史)と仲が良くて、3年生の時に寮が隣部屋になって、ドライブに行ったり飲みに行ったり、そういう思い出があります。本当に大学の時は楽しかったですね(笑)。
――キヤノンに進もうと思ったきっかけは?
塩川さん(チームディレクター)に声を掛けてもらいました。これからトップリーグを目指すという話を聞いて、僕もトップリーグ昇格に貢献したいと思ってキヤノンに決めました。
――いつから社会人でもラグビーを続けたいと思っていたのですか?
大学4年になった頃ですね。やっぱりラグビーは楽しいという思いがあり、卒業してからもラグビーに関わっていきたいと考えていました。それにトップリーグでプレーしている大学の先輩の試合を見て、凄く刺激を受けました。僕もトップリーグでプレーすることになれば、後輩にも良い刺激を与えられると思って、ラグビーは続けていきたいと思っていました。トップリーグでプレーしている同期もいるので、早く同じ場所でプレーしたいですね。
――社会人ラグビーになって、ラグビーの変化を感じましたか?
やはり大学生と社会人では体の大きさが全然違います。僕は体が小さい方なので、タックルを受けても怪我をしないようにしていかなければいけないと思います。まぁ、怪我しましたが(笑)。
――キヤノンに入って戸惑いなどはなかったですか?
最初はありましたが、戦術などをしっかりと頭に入れて、あとスタンドオフの声をちゃんと聞いてプレーしてきて、キヤノンのラグビーにも慣れてきました。スクラムハーフにとっていちばん大切なことは視野の広さや周りの声を聞く、ということだと思うのですが、トップイーストを経験してその部分も成長できていると思っています。ただ、まだまだ成長できると思いますね。
――将来的には永友ヘッドコーチを超えることはできそうですか?
心の中では思っています(笑)。でもまだまだ先だと思います。超えられるか分からないですけどね。
――仕事にはもう慣れましたか?
だいぶ慣れましたね。総務部のメール室に所属していますが、周りに年上の人が多くて、可愛がってもらっています(笑)。いまやっている仕事は社内メールの仕分けをして、各棟に配送したりしています。ファンクラブの申込用紙も色々な事業所から来るので、ファンクラブのメンバーが増えているなって、嬉しく思いながら作業しています。
――部署の人たちとラグビーの話をしたりしますか?
ラグビーを知らなかった人たちもいるのですが、応援に来てくれる方もいますし、試合があった時には声を掛けてくれます。「あと何勝したらトップリーグに行けるの?」などと聞いてくれるので、注目されているなって思いますし、次も頑張ろうと思います。
――今の目標を教えて下さい
まずはトップチャレンジで勝つことですね。長期的な目標はまだあまり考えていませんが、とにかく今はラグビーも仕事も頑張って、やれるところまでやっていきたいと思っています。
――最後にファンに向けてメッセージをお願いします
試合に応援に来てくれることや会社で声を掛けてくださることで、「もっと頑張ろう」という気持になります。今はラグビーを頑張っていますが、後々は仕事で恩返しをしたいと思っています。是非会場に足を運んで頂き、これからも応援をよろしくお願い致します。