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キヤノン イーグルス 公式サイト|スタッフレポート

スタッフインタビュー

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スタッフインタビュー ヘッドコーチ アンディ・フレンド2012年5月21日

キヤノン イーグルス スタッフインタビュー
アンディ・フレンド(Andy Friend)
『選手たちを極限のレベルに追い込み、限られた期間で最大の効果を得る』


アンディ・フレンド ヘッドコーチ

――キヤノン イーグルスのヘッドコーチに就任して、今の心境は

素晴らしい環境で素晴らしい機会を得ることができ、やる気で一杯です。そしてトップリーグの戦いに挑戦していくことは、本当にエキサイティングなことだと思っています。

――最初の年、どんなシーズンにしていきたいか

キヤノン イーグルスの指針となる言葉は「レベルアップ」です。これまでやってきたこと全てをレベルアップしていくということです。グラウンドの中、グラウンドの外、トップリーグで戦っていくためにすべてのレベルアップを図っていきます。中でもまずフィットネス、そしてストレングスを上げることです。既に4月1日から若手選手を中心にトレーニングを始めていますが、新しいことを始めているので、筋肉痛に悩まされている選手もたくさんいます。新しくマーカス・ケインをコンディショニングコーチとして招聘し、この部分の強化を更に図っていきます。

――レベルアップを図るその他のポイントは

ディフェンスの強化です。キヤノンの去年の試合を振り返ると、得点力はかなりあると思いますが、特に強いチームに対してディフェンスは十分だったとは言えません。
フィットネスの向上はディフェンス力の向上、特にブレイクダウンやタックル、相手に抜かれないように積極的にチャレンジしていく、そういうディフェンスに繋がります。

――ディフェンス力を上げることにより、オフェンスにも良い影響がある

ラグビーは攻撃的なスポーツなので、しっかり守り精神的に優位に立つことが重要です。精神的に優位に立てれば、自信を持ってアタックでき、良い結果に繋がるといえます。先ほど「攻撃力はある」と言いましたが、アタックもスキルを磨き、レベルアップを図らなければいけないことは言うまでもありません。


アンディ・フレンド ヘッドコーチ

――キヤノン イーグルスが目指すラグビーは

4つのことを指針に掲げています。1つ目は、相手ボールの時に攻撃的なディフェンスをすること。2つ目はタックルの力を向上すること。3つ目はテンポの良い攻撃をすること。4つ目は失敗を恐れずに挑戦することです。

――選手たち自身が現在の力を認識することが重要

4月1日から始めたメンバーは、新しいプログラムに基づいた練習をしているので、気付いていることがたくさんあると思います。5月から合流する選手たちには、早く去年との違いに気付いて、キャッチアップしてもらいたいと思っています。

――スタッフのレベルアップも重要

年間を通じたスタッフ各人の職務、責務、役割を明記したものを渡しています。これらをよりプロフェショナルに遂行することが、我々の目標達成には必要不可欠です。

――アンディさんの入部はスタッフにも良い刺激になる

チームに新鮮な雰囲気をもたらすことは非常に良いことだと思います。この時期は、どのチームもやる気に満ちている一番良い時期で、この良い雰囲気を1年維持していきたいと思っています。


アンディ・フレンド ヘッドコーチ

――4月1日から新しい練習に取り組んできたメンバーに変化は見られるか

顕著な成長が見られます。実は練習開始後、やむなくオーストラリアに戻らなければならず、先日時間を空けて彼らの練習を見たのですが、その成長をすぐに見て取ることができました。厳しい練習は続きますが、このまま全員ついてきてくれることを望みます。

――コーチ歴が非常に長い

コーチを始めるまでは、クラブチームのA.C.T(スーパーラグビーのブランビーズの前身)でフルバックとしてプレーしていました。しかし深刻な膝の怪我で5回の手術を受け、25歳という若さで引退を余儀なくされました。1995年からAIS(Australia Institute of Sport)で1シーズンコーチを務め、その後ワラタス(スーパーラグビー)のコーチに就任し、4シーズンコーチをしました。

――サントリーでもコーチを務めた

1999年から2003年の4年間です。サントリーでの4年間については、本当に素晴らしい思い出がありますし、サントリーには深い敬意を持っています。

――キヤノンとサントリーの繋がりが一段と深くなる

チャンピオンチームと良い関係を保ち、素晴らしい選手たちと交流できることは、チームにとって大きな財産になると思います。

――トップリーグ開幕まで4ヶ月だが

新しいチームでのスタートはいつも困難があるものですが、永友監督の元、今回キヤノンで得たこの機会は、本当に素晴らしいものだと思っています。我々スタッフがやることは、選手たちを極限のレベルに追い込むことです。そうすることで、トレーニングが効果的になり、4ヶ月という限られた期間に最大の効果を得ることができると考えています。


アンディ・フレンド ヘッドコーチ

――永友監督を中心に、コーチたちの良い連携が重要だ

小村さん、中村さんは、非常に高いレベルのラグビーを指導できるコーチで、選手とのコミュニケーションも良い。新任のYuki(今村コーチ)は非常に熱心。そして永友監督が全体を見るというこのチームは、コミュニケーションが良く動的な力があります。しかし大事なことは、我々がお互いにチャレンジすることです。つまり、私がプログラムのアイデアを出し、全員で協議し決定する。それは全員のプログラムとなります。進行する中でお互いを見て、また意見を出し合い、お互いを鼓舞し合う。そういう関係を作っていきます。


アンディ・フレンド ヘッドコーチ

――フリータイムは

自転車に乗るのが大好きです。自転車に乗っている間は、何も考えずリラックスできる自由な時間を過ごすことができるからです。実は2年ほど前に、妻が自転車に乗っているときに倒れて、頭を強く打つという事故がありました。そこで、彼女に自信を取り戻してもらうために、クックタウン(オーストラリア北東部)からキャンベラまでの5,000kmを2人だけで94日間、私が自転車で、彼女は車でサポートして走破しました。彼女は見事にリカバリーして、今はとても元気です。もうすぐ日本に来ますが、2人の息子をオーストラリアに残してくるのが少し心配のようです。でも事故の後、何もできなくなった時期のことを考えると、彼女にとって今回の来日は本当に大きな一歩となります。

――では最後にファンへ一言

トップリーグ制覇に向けて、初めてのシーズンがスタートします。私たちはもちろんベストを尽くしますが、ファンの皆さんのサポートは、チームにとってなくてはならないものです。絶大な応援を心よりお願いいたします。