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キヤノン イーグルス 公式サイト|スタッフレポート

スタッフインタビュー

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スタッフインタビュー BKコーチ 今村 友基2012年5月30日

キヤノン イーグルス スタッフインタビュー
今村 友基(いまむら ゆうき)
『最初のシーズンを思いっきりチャレンジしていきたい』


今村 友基 BKコーチ

――BK(バックス)コーチになって、今の心境は

昨シーズンは、自分のパフォーマンスを今より上げられるのか、自分自身に問いかけながらの1年間でした。そんな時にコーチ就任の打診を受けました。新しくチャレンジする場をもらえたことに、とても嬉しく思っています。

――選手生活に未練は無かったか

これ以上パフォーマンスを上げることは難しいと判断していたので、未練は全くありません。


今村 友基 BKコーチ

――去年からチームを指導するスタンスだったのか

元々コーチングには興味があって、若手を育てたいという希望は強くありました。神戸製鋼の時もそうでしたが、試合に出場する機会が少なくなるにつれて、違う形でチームに貢献できるように努めていました。ラグビーは選ばれた22名だけが頑張ればチームは強くなるわけではなく、選ばれない選手がトレーニングでどれだけアピールできるかが重要です。長いラグビー人生から、そういうことは良く分かっていたので、キヤノンが強くなるためにBチームでいかにモチベーションを上げるかを考えていました。

――ラグビー人生でコーチになったのは初めて

そうです。これまで選手としてやってきたことや実績などにこだわらず、指導者としての信念をしっかり持って、まずは勉強していきたいと思っています。教える、伝える、プッシュするといったコーチングの仕事は、現役でのスタンスと大きな違いがあります。幸い永友監督始め、アンディ、小村さん、中村さんなど実績のあるコーチが近くにいるので、彼らの元で勉強しながら、トップリーグでしっかり戦えるチームを作っていきます。

――そのためには今までと違うスタイルのチーム作りが求められる

何をするにしても自分には初めてのことなので、とにかく何でも一生懸命にやります。去年をベースに全てをレベルアップするという意味では、本当に環境に感謝したいし、会社、ファンからの大きなサポートを大切にしながら、指導者として記念すべき最初のシーズンを、思いっきりチャレンジしていきたいと思っています。

――チームのレベルアップを図るには、コーチ陣の結束が重要

自分がコーチとして戦力になるかはまだわかりませんが、コーチとしての結束は非常に重要であることは間違いありません。その中に自分から入っていき、協力できる事を積極的にやっていきたいと思っています。もちろん自分のラグビー理論というものがあるので、もし永友さんやアンディと食い違いなどがあれば、お互い徹底的に話し合っていきます。コーチとしては新人ですが、自分の主張は常にしっかり持っていたいと思っています。


今村 友基 BKコーチ

――選手とのコミュニケーションについて

付き合いが長いので、選手とのコミュニケーションが取りやすいのは武器になると思います。反面、自分はコーチなので選手との間に一線を引いて、自分と選手、アンディと選手、それぞれの距離に差が出ないように、ちょうど良い距離感を保つことが重要だと考えています。

――規律を守ることに対し、選手のストレス解消も重要だ

チームビルディングの時間など、楽しい時間もスケジュールに入っています。それでもストレスを感じる選手には、自分に何でも言わせて、それを一緒に考えて上手く機能させるようにします。そしてそれをアンディへインプットすることも、自分の大切な仕事だと理解しています。

――現役時代を振り返って

<学生時代>
伏見工業では花園での全国大会を3年経験し、3年生の時に準優勝しました。その時の恩師である山口先生(山口 良治 元日本代表)が、自分のラグビーの原点となっています。ラグビーはもちろん、規律にも厳しい人で、人間形成という意味でも本当に恩師と言える人に出会えました。高校卒業後は兄が関東学院大学でプレーしていたので、自分も関東学院に行きましたが、入る前の年から優勝が続いていた強い頃でした。二つ上に淵上(宗志 元日本代表)という不動のスタンドオフがいて、「関東に淵上あり」とまで言われた程の選手でした。それで2年間はほぼ出場できませんでしたが、3・4年は試合に出て、2年連続優勝しました。その時の監督の春口先生には、「自分たちでラグビーを作り上げろ」と言われていたので、チーム内のコミュニケーションはすごく良く、自分たちでラグビーを作る楽しさを味わいました。

<神戸製鋼>
神戸製鋼は高校時代から見ていたあこがれのチームでした。伏見工業OBの平尾さんもいましたし、当時の神戸製鋼のバックスのスキルが衝撃的で、自分も一緒にやってみたいと思って入りました。ところが、入部してすぐに当時のヘッドコーチの萩本さんから、「これまでのラグビーを忘れろ」と言われ、とにかく苦しい1年間だったことは忘れられません。大学でもチャンピオンになった自分は、それなりに自信があったのですが、トレーニングは本当に厳しい、それにも増して言われることが厳しく、試合にも出られませんでした。でも2年目にトップリーグが開幕し、アンドリュー・ミラーの怪我などもあり試合に出て、トップリーグチャンピオンになりました。実績的にはこの年が最高に濃い年だったと思います。あの苦しい1年を耐えたことで自分のラグビーが確立できて、本当のラグビーの厳しさを学んだあの時の経験があってこそ今がある、そう思っています。

――その苦しい1年の経験が、コーチとして活かせる

新しいことにチャレンジするという意味では、今年のキヤノンに通じることが大いにあると思います。トップリーグで勝つことがどれだけ大変なのか、選手も分かっていると思いますが、早く準備を進められるように時間を大切にしていきます。


今村 友基 BKコーチ

――では最後にファンの皆さんへ一言

立場が変わっての新しいシーズンですが、トップリーグ挑戦という形で迎えられたことを本当に嬉しく思っています。これも昨年までのファンの皆さんのサポートのお陰と、改めて心から御礼申し上げます。コーチとして自分のできることを最大限にやって、チームを引っ張っていきます。今シーズンもグラウンドに足を運んで頂き、キヤノン イーグルを応援して下さい。宜しくお願い致します。