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キヤノン イーグルス 公式サイト|スタッフレポート

スタッフインタビュー

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スタッフインタビュー 永井トレーナー/佐藤通訳/吉田分析官/三浦マネージャー2012年9月12日

今回は、それぞれトレーナー、通訳、分析、マネージャーを担当されている、永井/佐藤/吉田/三浦の各スタッフにインタビューを行いました。


永井 宏和(アスレティックトレーナー)

怪我を未然に防ぎ、より多くの選手をグラウンドに立たせる

永井 宏和アスレティックトレーナー

――アスレティックトレーナーとは

怪我を未然に防ぐこと、また現場で選手が怪我をした時の応急処置や怪我の評価、復帰までの手順を考えることが自分の仕事です。またリカバリーがトレーニングの一部に充てられています。疲れはその日のうちに解消して翌日ベストの状態で試合や練習に臨めるようにする、という考え方です。疲労はどうしても週の後半に向けて溜まってしまうので、ストレングス、コンディショニング、そしてメディカルでその部分に力を入れています。

――永井さんの仕事は

リカバリーに関してはコンディショニングが主導権を持って一緒にやっています。具体的にはストレッチ、マッサージ、それと交替浴(暖かいお風呂と冷たい風呂に交互に入る)です。水に入ると血管が縮まり、お湯に入ると広がるので血液循環を良くし、疲労を軽減できます。メディカルチームはストレッチとマッサージをメインにやっています。ストレッチは選手同士でペアを組んで最初にやり方を教えますが、選手たちがやり方を覚えて、最終的に選手たちだけでできる様になればベストですね。マッサージは1人週2回程度を3~5人体制で対応しています。選手たちも疲労を残さないために、自分の体に責任を持って積極的にリカバリーに取り組んでもらいたいと思います。

――疲れを取るポイントは

質の良い睡眠をとることと栄養のバランスです。特にこれを食べる、ということではなく何でも万遍なく食べることは、リカバリーでは重要な要素です。またストレッチもお勧めです。

――トレーナーになると決めたのは

高校生の時です。ラグビーを小学校の頃からやっていたのですが怪我が多く、一方でテーピングなどには元々興味があって、ラグビーには見切りを付けてトレーナーになろうと決めました。


永井 宏和アスレティックトレーナー

――アメリカに留学して資格を取得した

高校卒業後に渡米し、短大を経由してカリフォルニア州立大学フラトン校で、運動力学の学部でアスレティックトレーニングを専攻して、NATA-ATCというアメリカのアスレティックトレーナーサーティファイドという国家資格を、またNASM-PES(パフォーマンスエンハンススペシャリスト)の2つの資格を取得しました。さらに、人口呼吸など人命を守るために現場のトレーナーに必須な応急処置の資格(CPR)の講師の資格(Life Supporting First Aidインストラクター)を日本で取得しました。卒業後、4年間リコーのラグビー部でアシスタントトレーナーを務め、キヤノンへは2010年シーズンの初めに移りました。キヤノンは今年で3シーズン目になります。

――キヤノン イーグルスの変化について

まずすべてが組織化されました。選手のやることが具体的になり明確化されてきたので、いろいろなことが正しい位置に整理され、チームの土台がこの3年間にできてきました。また、スタッフの仕事や役割もはっきりしてきました。選手が50人ほどいるので、各分野のコーチ同士でコミュニケーションを図り、特にマーカス(ケイン)とは1日に何回か情報交換することで、選手の怪我を未然に防ぐように努めています。

――アスレティックトレーナーとして一番の目標は

けが人「0」で終えられれば最高ですが、このレベルのラグビーでそれは殆ど無理なので、とにかく最小限にするよう怪我を未然に防ぐ、そしてより多くの選手をグラウンドに立たせることです。全員が元気で、僕の仕事が無いのがチームにとってベストの状態です。怪我をした選手には1日も早い復帰を心から祈っています。

――ではファンの皆さんへメッセージを

選手は練習で頑張っています。また怪我で試合に出られない選手はリハビリで戦っています。怪我人が頑張っていることで試合に出る選手も頑張れます。その頑張りの集大成である、練習試合を含めた試合を是非見て頂きたいと思います。今シーズンもそんな選手たちへの応援を宜しくお願い致します。

佐藤 秀典(通訳)

チームの1ページ目のスタッフでいられたことを誇りに思っている


佐藤 秀典通訳

――通訳として4シーズン目となる

2009年、当時の永友ヘッドコーチと同時に、まだキヤノン イーグルスという名前の無い時に入部しました。グランドも淵野辺でした。でもここまで急激に強化して成長して、チーム力もアイデンティティも環境も変化したチームは他には無いと思います。そんなチームの1ページ目のスタッフでいられたことを誇りに思っています。

――その変化や成長はなぜ成し得たのか

非常に真面目な選手が多く、洋司さんの考え、指導によく付いてきたと思います。休みも本当に少なくて練習も長かったのですが、みんなで切磋琢磨してきた結果だと思います。
外国人選手のレベルも上がっていて、正直言って以前は「これが本当にプロ選手?」と思うような選手もいました。2010年にアルベルト(ヴァンデン ベルグ)と最初に食事をした時、その風格、雰囲気、オーラ、話す内容、どれも今まで僕が接してきた外国人選手の中でもトップクラスで、やはり一流選手と関われるというのはテンションも上がり、自分の仕事の士気も上がります。

――外国人選手と日本人選手の融合は自分たちで

言葉では無い所を共有して分かち合うので、逆に言葉が通じても理解し合えないこともあると思います。もちろん戦術やスキルのことは通訳として入りますが、言葉の違いを超越したところで共有する、いわゆる「絆を作る」というところは選手同士でやっています。


佐藤 秀典通訳

――やりがいはどんな時に感じるか

通訳の後に、日本人選手から「凄くわかりやすかった」と言ってもらった時や、アンディから「自分が喋っているようだ」と言われた時は嬉しいですね。あと選手が分かるようなことでも敢えて違う表現をする、つまり選手により分かり易い言葉で表現するといった通訳としてのスキルの部分ですが、やはりそういったことを評価してもらえる時にやりがいを感じます。アンディとは普段からよく話をして彼の背景を理解することで、インタビューの時などの言葉選びや必要・不必要の取捨選択などが、適切にできるように心がけています。

――では最後にファンのみなさんへメッセージを

誰も予想がつかないハラハラドキドキのチームだと思いますが、その分期待感の高いチームだと思いますし、ファンの皆さんをあっと驚かせられるチームになれると思っています。選手たちは緊張と興奮の混ざった、まさに生きていることを実感している状況です。海外のトップレベルで活躍していた外国人選手たちも、過去に関係なく自分のチームが新しいステージに立つことに緊張感を持って毎日を送っています。そんなキヤノン イーグルスの活躍を楽しみにして下さい。今シーズンも応援を宜しくお願い致します。

吉田 亨(分析)

自分のやりたいことを試しながら、スキルアップを図りたい


吉田 亨分析

――今年入部ですね。

はい。宜しくお願いします。キヤノン イーグルスに入部するまでは、2011年4月から仙台育英の中高一貫校で保健・体育の教員をしていました。

――分析の仕事をするきっかけは

高校3年の時に、仙台大学にスポーツ情報マスメディア学科という新しい学部ができて、先生に誘っていただきました。実は他の大学にラグビーの推薦をもらっていたので迷ったのですが、新しいビジョンで夢を持ってこの学部を作ったという話を聞いて、こういうスポーツへの関わり方もあることを初めて知りました。オリンピックや日本代表レベルへの近道とも考え、こちらの道に進むことを決めました。スポーツ情報戦略コースを選択したのですが、先生が皆さん素晴らしく、JISS(国立スポーツ科学センター)でスポーツコードやカメラの撮り方の講習会に参加するなど、色々なことを経験することができました。

――大学卒業後、教員になったが

就職先の学校ではサッカー部を担当していました。ビデオを作ってあげると非常に喜んでくれて、教員にも興味がありましたが、ラグビーのアナリストをしたいという希望を持ち続けていました。そんな時に正太(中島)さんが代表チームに呼ばれ、今年の2月に洋司(永友監督)さんから、正太さんの代わりということで誘っていただきました。以前、洋司さんが仙台大学の大学院にいらした時に先生からご紹介いただき、過去に何度かビデオ撮影の依頼をもらったことがありました。また、この分野を専門でやっている人もあまりいないので、それで誘って頂けたのだと思います。電話を頂いた時は本当に嬉しくて、キヤノンに入ることをすぐに決めましたが、後で育英の先生にはどう頭を下げようかと、ちょっと悩みました。

――現在の仕事の状況は

洋司さん、アンディさん、また他のコーチのみなさんに教えて頂きながら精一杯やっている状況です。でも少しずつ自分のやりたいことを試しながら、スキルアップを図りたいと思っています。


吉田 亨分析

――情報は鮮度が命

試合の後などはかなり忙しくなります。情報は鮮度が命と言われていて、時間が経ってしまうとその情報の興味も意味もなくなってしまいます。試合後は直ぐに分析をして、翌日のミーティングに使わなければならないので、睡眠時間が1時間なんてこともよくあります。

――でもやりがいがある

本当に毎日充実していて、やりがいをものすごく感じています。コーチ陣も選手も素晴らしい方々に囲まれて、これまで夢だった仕事ができています。自分が分析したデータや傾向を元にした戦術がハマった時が「よっしゃ!」と感じる時なのですが、それにはまだ至っていません。トップリーグでその経験を早くしたいと思います。

――トップリーグの試合が楽しみ

とても楽しみですが、どこまでやり切れるか不安もあります。でも素晴らしいチャンスをもらえたので、声を掛けて下さった洋司さんの期待に応えられるように頑張ります。そして、キヤノン イーグルスがチームカラ―を築きあげていくその一員になりたいと思っています。

――ファンの皆さんへ

選手がベストのパフォーマンスを出せるように僕自身、スタッフであると同時にキヤノン イーグルスのファンとしてチームを支えていきたいと思っています。会社、ファン、選手、スタッフが一丸となってチャレンジするチームです。一緒に応援して下さい。これからも宜しくお願いします。

三浦 東視栄(グランドマネージャー)

選手たちが成長して顔つきも変わっていく、その変化が楽しみ


三浦 東視栄グランドマネージャー

――キヤノンには

以前ラグビー関係の仕事をしていたので、知り合いの紹介で今回お話しを頂きました。ラグビーの世界とはもう関わることは無いと思っていたのですが、せっかく頂いたお話しだったのと、周りの皆さんが応援してくれたのでもう一回頑張ってみようと思って7月21日に入部を決めました。

――以前のお仕事とは

2010年3月頃まで2年間ほど、7人制の代表チームのマネジメントをやっていました。父がラグビーをやっていたので、ラグビーとは子供のころから接点があったのと、学生時代にアメリカに入学をしていたので英語が使えるということで応募したら決まりました。実際の仕事は予算の都合などから仕事はかなり広範囲で、結構大変でした。

――入部直後に北海道の合宿に行った

まだ正式に仕事が決まっているわけではないので、まずは選手の名前と顔がすぐ分かるようにしていました。チームに合流してキヤノン イーグルスの第一印象は、とにかく選手が若い、ということですね。まだ経験が余りない選手も多いのですが、これから成長して顔つきも変わってくると思います。その変化が楽しみです。今は選手たちと話す機会があまり無いのですが、少しずつコミュニケーションを取るようにしていきたいと思っています。また仕事についてはまず林主務、池澤副務と話をして色々なことを吸収しているところです。

――ではファンの皆さんへキヤノン イーグルスの魅力を

若くてこれからの活躍を秘めているチームです。トップリーグで揉まれて成長していくと確信していますので、一緒に選手たちの活躍と成長を見て頂きたいと思います。特にタフな試合の後は、選手たちも落ち込むことがあると思います。そんな時にこそファンの皆さんの存在や応援があると、選手たちも心強く感じると思います。是非ご理解頂いて、一緒について来てください。宜しくお願い致します。