キヤノン ラグビーフットボールクラブ vs 日野自動車 レッドドルフィンズ



15 | 前半 | 13 |
21 | 後半 | 22 |



2009年1月18日(日) 13:00 キックオフ 日野自動車総合グラウンド (東京都 )
入替戦(2008-2009シーズン)
![]() |
![]() |
![]() |
||
---|---|---|---|---|
山路 泰生 | 1 PR | 秋谷 喜美男 | ||
丸尾 拓也 | 2 HO | 菅波 篤史 | ||
小沼 公二 | 3 PR | 廣瀬 賢一 | ||
下瀬 央輔 | 4 LO | 馬場 伊一郎 | ||
セネ・タアラ | 5 LO | サム・アニセ | ||
前田 貴洋 | 6 FL | 廣川 三鶴 | ||
小野瀬 辰徳 | 7 FL | 畑地 陽典 | ||
ロバート・ロバートソン | 8 No.8 | 橋爪 友宏 | ||
後藤 隆志 | 9 SH | 宮本 徹也 | ||
向山 裕人 | 10 SO | 河野 嵩史 | ||
弥富 義博 | 11 WTB | 辻 拓也 | ||
今井 通 | 12 CTB | 三田 幸治 | ||
櫻井 滋人 | 13 CTB | ジョセフ・ナルーン | ||
新井 光 | 14 WTB | 森 一人 | ||
栗原 聖 | 15 FB | 出村 直也 | ||
16 上西 尭之 17 満田 竜介 18 下村 健 19 及川 英典 |
20 秋本 敬太 21 タイ・グラッシー 22 東海林 謙二 |
リザーブ |
16 銭場 遼太郎 17 大島 徹 18 宮原 隆浩 19 ケレ・レアウエレ |
20 田辺 光宏 21 吉田 剛志 24 ジョネタニ・ラトゥ |
後半4分 | 13櫻井 滋人 → 19及川 英典 8ロバート・ロバートソン → 21タイ・グラッシー |
交代選手![]() |
後半開始 | 5サム・アニセ → 19ケレ・レアウエレ |
---|---|---|---|---|
後半12分 | 11弥富 義博 → 22東海林 謙二 | 後半12分 | 12三田 幸治 → 21吉田 剛志 | |
後半19分 | 19及川 英典 → 18下村 健 | 後半24分 | 4馬場 伊一郎 → 18宮原 隆浩 | |
後半27分 | 13ジョセフ・ナルーン → 22ジョネタニ・ラトゥ |
この試合が出来ることを目標にしていた。
この試合に勝つことを夢に見ていた。
順位決定戦の前夜、八王子のホテルで緊張感に包まれたミーティングを行った。
22人のメンバーがそれぞれの思いを語り、それを部員全員が受け止める。
誰もがこの一戦の重みを感じていた。
また、簡単に勝てないことも理解していた。
一人一人が明日の試合を思い浮かべながらそれぞれの夜を過ごした。
翌朝、八王子から日野自動車総合グランドに向かうバスの車中、自分が行うべきプレーをシミュレーションする。
キックオフが近づくにつれ、グラウンドにはキヤノン側の応援者が続々と詰めかけてくる。
グラウンドの空気は徐々に張り詰めていく。
気持ちを確認するように選手間で握手を交わす。
感情が入り涙を流しながら気合いを伝達する者もいる。
ウォーミングアップが終わり、いよいよ試合が始まる。
キヤノンのキックオフで始まったが、開始早々キック処理のミスから日野自動車に攻め込まれる。
敵の攻撃を何度かしのぐが11分自陣でペナルティを犯してしまい、先制のペナルティキックを決められる。0:3
リスタートからキヤノンのペースに切り変えようとするが、再び自陣ゴール前に釘付けにされる。
15分、自陣ゴール前ラインアウトからモールを組まれドライブをかけられる。
新ルールではモールを引き倒して防ぐ事が出来るが、相手は崩れない。
そのまま押し込まれタッチダウンを許してしまう。
ゴールも決まり0:10となる。
「このまま相手のペースになってしまうのか?」
キヤノンの応援席は不安に包まれる。
20分にペナルティキックで3点を返し3:10とするが、30分に2つ目のペナルティキックを決められてしまい3:13とされる。
キヤノンは31分に10.向山が抜け出し初トライをあげ、10:13と反撃が開始される。
36分に4.下瀬が連続トライを決め15:13とし、ついに逆転に成功する。
想定していたとおり接戦の展開になる。
こうなると気持ちが切れた方が負けとなる。
キヤノンは守ることより攻める選択をする。
後半はスピードのある選手を投入し、さらに点数を積み重ねるよう選手交代を仕掛けた。
後半最初のトライは日野自動車に奪われる。
3分、ゴール前からFB参加でウイングにボールが渡り、左隅にトライを決められる。
再び逆転され、15:18
11分、キヤノンはすかさず反撃し、相手陣内に攻め込みラインアウトから継続して攻め立てる。
最後は5.セネ・ターラが抜け出し再逆転のトライを決める。22:18
元サモア代表のセネは走力、パワー、センスを兼ね備えた選手で、この日もチームの先頭に立って体を張ったプレーをしていた。
21分、右ゴール前のラインアウトからモールを押し込み5.セネが連続トライを決める。29:18
23分、後半から出場の21.タイがゲインし、左に展開し4.下瀬がゴールに飛び込む。36:18
「これで勝負がついたか」と思ったが、後半27分に交代で入った外国人選手がインパクトのあるランニングプレーを展開する。
キヤノンのまずい守りも重なり、連続で3トライ奪われ36:35まで詰め寄られる。
敵の攻撃はさらに続き、キヤノンは万事休すところまで追い詰められるが、14.新井光の好判断などで敵の攻撃を寸断させる。
キヤノンの応援は悲鳴に変わり、そして渾然一体となって気持ちの入った言葉が選手に伝わる。
選手と応援者が一つになったような錯覚すら覚える情景だった。
ロスタイム3分の最後、ゴールにもつれ込む両チームのプレーヤー ……
そして、レフリーの手が上がる。
トライかと思われたがタイムアップのジャッジ。
一瞬遅れてキヤノンサイドは歓喜に包まれた。
まさに薄氷を履むような勝利、インゴールの狭さとあきらめないディフェンスが敵の中央へのトライを阻止し、ゴールキックを許さなかった。
トライ数は同じながら、ゴールキックの成功が勝利を呼び込んだ。
どちらに勝利が転がってもおかしくないゲームであった。
紙一重の勝因はセットプレーの安定と体を張ったディフェンスであった。
この日の勝利で順位決定戦の2位以上が決定し、25日に1位を賭けた戦いが秋田ノーザンブレッツと行われる。
今シーズン最後の戦いである。
チームキヤノンの全てを出し切る戦いで今シーズンを締めくくりたい。
駒沢陸上競技場での最終戦、応援よろしくお願いします。