■試合の見どころ

キヤノンイーグルスはウインドウマンス（1ヵ月の休養月）前の第9節、秩父宮ラグビー場で宗像サニックスブルース（以下サニックス）と対戦します。
サニックスは第8節を終えて5勝3敗の7位につけています。今シーズントップリーグに再昇格を果たし台風の目となる快進撃を続けています。そのプレースタイルは他のトップリーグチームとは異なり、独自の戦術で挑んできます。ボールを獲得すると、どんどん展開して広くスペースを使ってアタックしてきます。
BKには外国人選手、帰化選手を配置してインパクトとスピードを生かしたアタックを仕掛けます。ディフェンスは全員が前に出てプレッシャーをかけてきます。そのプレッシャーに耐えきれなくなり相手にキックを蹴らせたところから、カウンターアタックを仕掛けます。このアンストラクチャープレーがサニックスの強みです。
そして練習で鍛え上げたフィットネスを最大限に発揮して、全員が一体となってボールをつないでゲインしてきます。テンポの良い攻撃に惑わされるとペースを握られます。

イーグルスは相手の強みでの勝負は避け、自分たちの強みであるセットプレーを中心に試合を組み立てていかなくてはいけません。
FWの先発メンバーには日本代表候補に選ばれた山路が戻り、久しぶりに菊谷がLOとして先発します。BKで目を引くのはSOにルルーが入っていることです。前節、前々節の後半からSOに入ってのプレーがありましたが、ラインをコントロールしてチャンスを作り出せていました。この試合でその真価を発揮してもらいたいところです。そしてFBにはボンドが入ります。彼の一番得意なポジションでスピードを生かした突破が期待されます。CTBには林大成が入ります。前節から先発で出場していますが、ニュージーランドで体験したコンタクト、スピードをこの試合で発揮してもらいたいと思います。林の見せ場は思い切ったタックルにあります。前に出て相手がボールを持った瞬間に入るタックルは、チャンスを作り出すとともに相手にとって大きな脅威となります。この試合のメンバーは縦のラインが庭井、トムソン、天野、ルルー、ボンドとなり、カギを握るプレーヤーになります。各々の選手がしっかりとパフォーマンスを発揮してくれれば相手のスピードに惑わされずにゲームの主導権が握れるはずです。
リザーブには芦谷勇帆の名も見られます。入部3年目で、初戦のコーラ戦以来のエントリーとなります。190センチの長身ながら7人制日本代表合宿にも呼ばれたことのあるスピードが魅力の選手です。出場する場面ではチャンスメイクに期待したいと思います。

ここまで2勝6敗、これ以上の敗戦は重ねられません。サニックスの総得点189、総失点224はイーグルスの180、219、得失点差は-35と-39と近い数字です。しかしチームスタイルが異なる対戦ですので、自分のスタイルで試合を進められるかどうかが勝負の行方を左右します。
第4節のリコー戦以来の秩父宮ラグビー場でホームゲームとなるこの一戦、みなさまの応援をよろしくお願いします。

■メンバー

★は新加入選手
※メンバーは変更する場合があります。