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2019.12.25
TEAM

記者会見の概要をお知らせします(11月25日@キヤノンスポーツパーク)

トップリーグ2020シーズン開幕に向けて始動したキヤノンイーグルスに今季新たに加わったSH田中史朗選手、そしてすっかりチームの中心的存在となったSO田村優選手と、イーグルスを率いるアリスター・クッツェー ヘッドコーチが記者会見を行いました。

今年9月に開幕したラグビーワールドカップで日本代表として活躍し、初の決勝トーナメント進出に大きく貢献した両選手がイーグルスでハーフ団を組むこととなります。それぞれの今季にかける思いをリポートします。

■田中史朗選手

「優のレベルで全員が戦えればトップリーグ優勝も見えてくる」

田中史朗選手

スーパーラグビー初の日本人選手となったパイオニア的存在であり、日本でも屈指の経験と実績を有する田中選手は、まず会見冒頭このように意気込みを語りました。

「いろいろな経験をチームに落とし込んで、みなさんに見ていただいて楽しんでいただけるようなラグビーができるようにプレーしますので、これからもトップリーグをよろしくお願いします」

これまで外から見ていたイーグルスの印象については、
「数年前はチームとして勢いがありましたが、最近は勢いがありません。でも外国人と日本人のバランスはすごくいいですし、ディフェンスからアタックに切り替えられるチームなので、その部分でも僕の今までの経験をアドバイスしたいと思っています。僕自身がしっかりプレーすることも大事ですが、(すべきことを)理解していない選手に今までの経験を落としこんで、チームとして強くなれるようにしていきたいと思っています」
と語り、ここでも自身の経験の落とし込みの重要性を提唱しました。

ただ、これまで日本代表に集中していた期間が長かっただけに疲労も溜まっていたようで、
「正直疲れています。本当の休みは取れていないですし、トレーニングもあまりできていないので、開幕までに体を仕上げて100%の状態でプレーできるようにしたいと思っています」
と語り、疲れが癒えない中での始動となりましたが、新年1月12日の開幕戦までに仕上げることを宣言しました。

35歳で開幕戦を迎えることとなるベテラン選手ですが、イーグルスでの最初のシーズンに向けてだけでなく日本代表への意欲も衰えていません。
「代表でやりたい意志はあります。ラグビー、スポーツをやっている以上、代表は目指さなければならないものですし、目指す気持ちがなければプレーヤーとして落ちていくので、しっかり代表を目指しながらプレーしたいと思います」

そして日本代表でハーフ団として長年コンビを組んできた田村選手とどのようにプレーしていきたいか、という質問に対しては、
「優(田村選手)は能力が高過ぎて、少し浮いている部分があるようです。彼を落とすのではなく周りのレベルを上げていき、しっかり優とコミュニケーションを取ってチームとして戦えるようにしたいですし、彼のレベルで全員が戦えればトップリーグでの優勝も見えてくると思うので、彼が輝けるようなチームを作りたいと思っています」
と答え、田村選手をはじめチームとしての底上げを図り、勝利を目指すことを誓いました。

■田村優選手

「ラグビー人生でまだ手に入れていないのは日本一」

田村優選手

その田村選手は、SH田中選手の加入をこのように歓迎しました。

「僕の辛さを理解してくれていた心強い先輩が来てくれました。キヤノンには日本代表が僕しかいなかったので、そういう選手がそばにいてくれると僕は助かります。友達としてもうれしいですし、選手としても心強いですし、ちょっとだけ尊敬しているので(笑)。ワールドカップに3大会出場して、行くチーム行くチームで結果を残している選手なので、すごいですよね」

ワールドカップで全試合先発と大活躍した田村選手はしばらくラグビーから離れ、トレーニングがわりに山に登ったり川を泳いだりと、アクティビティーで体を動かしていたといいます。

「まだラグビーボールに触っていないのですが(記者会見時点)、もちろんキヤノンでいい成績を残したいと思っています。キヤノンがやろうとしていることは日本代表がワールドカップでやろうとしたことよりも難しいチャレンジになると思うので、そこは逃げずに思いきり向かっていきたいです。キヤノンはこれからまだまだ強くなっていくチーム。日本代表がアイルランド代表にチャレンジするよりも、キヤノンがトップチームにチャレンジする方がもっともっと高い壁だと思っています」

ワールドカップになぞらえてこのように語った田村選手が目指すのは、トップリーグ優勝です。
「ここから3年ぐらいが自分としては絶好調な年になるでしょう。ラグビー人生でまだ手に入れていないのが日本一なので、それは絶対に成し遂げたいです。まずは自分のパフォーマンスを100%に上げていくこと。そしてチームとして成長しなければならないということです。キヤノンはトップリーグに入って歴史が浅いチームなので、選手だけでなくコーチもスタッフももっとできることがあると思います。総合力を高めていかないといけません。その中で僕ができることはラグビーを100%やること。僕ができることはそれだけです」

イーグルスで日本一になると意気込みを語った田村選手。田中選手という「相棒」の合流も相まって、ますますその活躍への期待が高まります。

■クッツェー ヘッドコーチ

「9番と10番はフィールド上のコーチのような役割」

アリスター・クッツェーHC

田中選手と田村選手に挟まれる形で会見に臨んだクッツェー ヘッドコーチは充実の表情でこのように語りました。

「2人の日本代表選手とこうして記者会見することができて、非常に喜ばしく思っています。私も選手時代はSHだったので、隣にSH、SOの選手が座っていると非常にワクワクしてきます。彼らがキヤノンに戻ってきてくれてエキサイティングです。彼らのパフォーマンスはワールドカップでずっと見ていましたし、代表のパフォーマンスも本当に素晴らしいものでした。非常にファンタスティックな2人、リーダーになり得る2人をキヤノンに迎え入れることができて喜ばしい限りです。彼らが日本代表で見せたパフォーマンスをキヤノンでも見せてほしいと思っています」

ハーフ団という要のポジションにワールドクラスの選手が揃ったことに期待を込めて、このようにコメントを続けました。

「9番(SH)と10番(SO)というポジションはラグビーのチームの中では中核的な役割を担っています。フィールド上のコーチのような役割でもありますので、そうした経験のある選手たちがハーフ団を担ってくれるのはとても楽しみですし、キヤノンとしても彼らのワールドカップでのパフォーマンスを誇りに思っています。彼らがキヤノンのためにどういったプレーをしてくれるか、非常に楽しみにしています」

日本代表のハーフ団のイーグルスでのプレーを、ファンだけでなくクッツェー ヘッドコーチも心待ちにしています。

■ジェシー・クリエル選手

「南アフリカだけでなく日本の選手も非常に優れている」

ジェシー・クリエル選手

記者会見の前にトレーニングルームで汗を流した田中選手と田村選手に、ちょっとしたサプライズがありました。今季イーグルスに新加入し、ワールドカップ優勝メンバーの一人となった南アフリカ代表CTBジェシー・クリエル選手が2人のもとを訪れたのです。彼らと笑顔で会話を交わした後、クリエル選手が取材に応じました。

「こうしてキヤノンに来て、仕事をする場所に戻ってきました。今はキヤノンのために、ということだけを考えています。年齢的にもまだ若いので、できる限り長くキヤノンでプレーしたいと考えています」

トップリーグには南アフリカ代表選手が多数プレーしています。対戦したい選手を聞かれると、クリエル選手はこのように話しました。
「自分のベストパートナーであり同じCTBのダミアン・デアリエンディ選手(パナソニック)と対戦したいですね。NO.8ドウェイン・フェルミューレン選手(クボタ)やHOマルコム・マークス選手(NTTコミュニケーションズ)ももちろんですが、南アフリカの選手だけでなく日本の選手も非常に優れているので、そういう選手とプレーすることも楽しみにしています。日本代表のラグビーはすごく早かったですし、ハイテンポでスキルレベルも高かったので」

言葉を交わした田中選手、田村選手とともにプレーすることについては、このように語りました。
「2人とも本当にワールドクラスの選手なので、一緒にプレーできることはエキサイティングです。日本語をしっかり勉強して、コミュニケーションを取れるようになりたいと思っています。そして外側のポジションでプレーできることを楽しみにしていますし、そこから彼らにいろいろな情報を伝えて、彼らのもう一つの目になりたいと思っています」

ラグビーは南アフリカ国民を一つにする特別なスポーツ、とも語ったクリエル選手。もちろん日本でも多くの国民が夢中になったラグビーという球技の魅力を、ピッチで存分に見せつけてくれることでしょう。

世界屈指の新戦力を迎え、過去最高のシーズンを目指すキヤノンイーグルス。まずは新年1月12日(日)の開幕戦、神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦を準備万端で迎えられるようチーム一丸となって臨みます。

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