MATCH試合

2015.12.19 sat 12月19日(土)

2015.12.19
横浜キヤノン
イーグルス
横浜キヤノンイーグルス
26
FULL
TIME
10
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
横浜E
12月19日(土) 町田市立野津田公園陸上競技場
12月19日(土) 野津田
トヨタ

試合概要

キックオフ日時2015.12.19 (土) 13:00
試合会場町田市立野津田公園陸上競技場
所在地東京都

試合記録

横浜キヤノンイーグルス
横浜E
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
トヨタ
26 16 前半 10 10
10 後半 0
前半 後半
1 2
1 0
0 0
3 0
0 0
3 T 1
1 G 1
0 PT 0
3 PG 1
0 DG 0
前半 後半
1 0
1 0
0 0
1 0
0 0

メンバー

選手名 No. POS. No. 選手名
菅原崇聖 1 PR 1 吉田康平
金子大介 2 HO 2 川西智治
上田聖 3 PR 3 ルアーン・スミス
日高駿 4 LO 4 トーマス優デーリックデニイ
菊谷崇 5 LO 5 北川俊澄
植松宗之 6 FL 6 杉本晃一
杉永亮太 7 FL 7 藤井諒
カール・ロウ 8 NO.8 8 安藤泰洋
天野寿紀 9 SH 9 滑川剛人
森田慶良 10 SO 10 文字隆也
小野澤宏時 11 WTB 11 和田耕二
藤近紘二郎 12 CTB 12 タウモエピアウシリベヌシィ
ティム・ベネット 13 CTB 13 イェーツスティーブン
原田季郎 14 WTB 14 彦坂匡克
マイケル・ボンド 15 FB 15 ロビー・ロビンソン
山本貢 16 R 16 彦坂圭克
東恩納寛太 17 R 17 高橋洋丞
山路泰生 18 R 18 伊尾木洋斗
湯澤奨平 19 R 19 レナルド・ボスマ
落合佑輔 20 R 20 槇原航太
福居武 21 R 21 麻田一平
林大成 22 R 22 松下馨
ダラン・マーフィー 23 R 23 竹田宜純

大幅メンバー変更が功を奏す。エネルギーに満ち溢れたフレッシュなメンバーがトヨタ自動車を粉砕

この日の相手は、まだ一度も勝ったことがないトヨタ自動車ヴェルブリッツ(以下トヨタ自動車)。来年1月9日から始まる順位決定トーナメント(LIXIL CUP)で上位を狙うためにも勝利を収めておきたい試合だったが、イーグルスは第5節までとはメンバーを大幅に入れ替えて臨んだ。キャプテンの橋野晧介をはじめ、三友良平、アイブス ジャスティン、アダム・トムソン、ウィリー・ルルーはメンバー外。「果たして、どんな展開になるのか?」。
しかし、この日もイーグルスは躍動した。得点力の高い選手が少ない中、「敵陣でラグビーをすることと、タテをついてダイレクトに体を当てること」(SO森田慶良)を徹底。トヨタ自動車がその執拗な攻めに我慢できずに犯したペナルティを、三友に代わってキッカーを務めたWTB原田季郎がきっちり決めて序盤からリードを奪った。前半35分にトライを許したが、その直後にFW、BKが一体となってトライを奪い、16-10で前半を折り返す。
ブレイクダウンで優位に立った後半は、終始イーグルスのペース。厳しいディフェンスから12分には森田が、15分には藤近がトライを奪い、2トライ2ゴールでは追いつけない16点差に。その後もトヨタ自動車に自由なアタックを許さず、26-10で勝利。勝ち点4を加え、総勝ち点を25としグループBの2位に!
マン・オブ・ザ・マッチには、今シーズン初先発ながらもゲームをしっかりコントロールし、自らも2本のトライをマークした森田慶良が選ばれた。

前半

ファーストスクラムでトヨタ自動車FWを粉砕

「このメンバーで大丈夫なのか?」。メンバー表を見た瞬間、誰もがそう思ったはずだ。しかし、そんな不安は開始2分で掻き消えた。トヨタ自動車陣少し入ったところでのファーストスクラムでイーグルスFWが猛プッシュ。“重い”トヨタ自動車FWを粉砕したのだ。このプレーで得た45mのPGをWTB原田が決めて、待望の先制点を奪取。その後も、思い切り体をぶつけてくるトヨタ自動車の攻撃をしっかり食い止めたイーグルス。ブレイクダウンでの攻防戦でも優位に立ち続けてゲームを支配。原田のキックも冴え、13分には9-0とリードを広げた。

リードされても怯まずに攻撃

17分にPGを決められ、9-3となったが、その後もイーグルスペース。ところが、34分に手痛いミスが出る。CTBティム・ベネットとFBマイケル・ボンドのコンビネーションミスからボールを奪われ、ディフェンスが揃っていないところをラインブレークされ、トライを奪われた(G成功で9-10)。
「ひょっとしたらこのままズルズルと…」。そんな不安も一瞬よぎったが、イーグルスはこれっぽっちも怯むことなく反撃開始。前半終了間際に、No.8カール・ロウの突破から得たチャンスを、FW、BKがつないで敵陣5mまでボールを運び、最後は森田が巧みなコース取りとパスダミーでトヨタ自動車ディフェンスを翻弄し、ゴールに飛び込んだ(G成功で16-10)。

後半

完璧なディフェンスでトヨタ自動車の攻撃を阻止

後半は開始~10分前後まではトヨタ自動車がペースを握る。7分、10分とイーグルスが立て続けに自陣で反則を犯したが、トヨタ自動車はショットを選択せず、トライを狙うという作戦に出た。しかし、その攻撃を全員ディフェンスで阻止。「あわや!?」という場面すらないほどの完璧なディフェンスで、トライを許さなかった。
その直後の12分、PR菅原崇聖の好タックルでこぼれたボールをCTB藤近紘二郎が足で引っかけて大きくゲイン。ラックから出たボールを途中出場のCTBダラン・マーフィーが相手陣深くに蹴り込み、自らタックル&オーバーでボールを奪取。ラックから左に展開して森田がインゴールに抑えた(G失敗で21-10)。

誰が出ても強い。イーグルスのスクラムの強さも実証

さらにその直後、相手のキックオフのミスから得たセンタースクラムから、右に展開。この日、再三見事なラインブレークを披露していたマイケル・ボンドがまたもや相手の裏に出るや、ディフェンスを引き付けて藤近に。ラストパスを受けた藤近が相手ディフェンスを振り切って右隅に飛び込んだ(G失敗で26-10)。
この時のプレー、マイケル・ボンドの突破に目を奪われがちだが、起点となったスクラムの“押し”も見逃せない。そのスクラムを組んだのは、このプレーの直前に入って来たPR東恩納寛太とPR山路泰生。「誰が組んでもイーグルスのスクラムは強い」ということが実証されたシーンでもあった。
その後も、選手たちのハードワークは続き、後半はトヨタ自動車に得点を与えず。これまで一度も勝つことができなかった強敵から初勝利を奪った。

第6節を終えた時点で、イーグルスは5勝1敗で勝ち点は25。グループBの2位にあがりました。
次回は、12月26日(土)、ヤマハ発動機ジュビロとの試合が、秩父宮ラグビー場で11時40分より行われます。いよいよリーグ戦の最終戦。ぜひ会場へ足をお運びいただき、熱い応援をよろしくお願いいたします。

インタビュー

●今季初先発でマン・オブ・ザ・マッチを獲得したSO森田慶良

今日はディフェンスの勝利だと思います。1人1人のタックルの精度が高かったし、コンタクトでも負けていなかった。試合が進んでいくうちに、相手の攻撃にも怖さを感じなくなりました。SOとしてのゲームコントロールに関しても、いくつかのミスはありましたが、「敵陣に入って戦う」という決め事をしっかりやれたと思います。僕らが頑張ったことで、ファンの皆さんにも、「イーグルスが本当に強くなっている」ことをわかってもらえたんじゃないでしょうか。


●セットプレーをリードしたHO金子大介

試合結果に驚いている人もいると思いますが、自分たちは、サントリーのBチームに勝っていたし、「試合に出たい」というメンバーのエネルギーも満ち溢れていたので、“必然”とまではいいませんが、それほど驚くような結果ではないと思っています。プレー面では、全員のハードワークに尽きると思います。誰かがタックルミスをしても、誰かが必ずフォローしていた。気持ちの入ったいいゲームができました。


●ハードタックルを連発したFL杉永亮太

トヨタ自動車さんがフィジカルを前面に押し出した攻撃をしてくるのはわかっていたので、とにかく目の前の相手を止めることだけを考えてプレーをしました。今日はディフェンスからボールを奪ってトライに結びつけるというプレーもあって、ある意味、ディフェンスの勝利だと思います。今日は本当に「やり切った」と思える試合ですし、僕自身、自信にもなりました。


●イーグルスの精神的支柱、LO菊谷崇

この1週間、メンバーのエナジーは高かったのですが、今日も勢いがありましたね。試合中も、植松ゲームキャプテンと、天野、森田の両ハーフバックを中心によく声が出ていました。僕はそんなみんなについていっただけです。技術面でも、チームとしてのディフェンスが全員に浸透していてレベルの高さを感じました。今のイーグルスは、誰が出ても同じレベルのプレーができるんじゃないですか? それとこれは余談ですが、トヨタ自動車に勝ったことで、私自身、トップリーグ全チームからの勝利を達成することができました(笑)。ありがとうございました。


●メンバー変更に関しての永友監督のコメント

5週連続で遠征が続くという今シーズンの日程が発表された時から、12月19日はフレッシュなメンバーで戦う必要があると考えていました。いわゆるAチーム、Bチームに同じ練習をさせてきましたし、ノンメンバーのための練習試合を多めに組んだのもそのためです。しかし、私が思っていた以上に今日のメンバーは良くやってくれました。イーグルスというチームがひとつステップアップしたことを実感した試合でした。

インタビュー

永友監督

「これまでゲームに勝って褒めることはほとんどなかったのですが、今日は本当に良くやってくれたと思います。正直言って私自身感動しました。この1週間、ゲームキャプテンの植松を中心にチーム全員でいい準備をしてくれたおかげだと思いますが、特に植松と、チームをサポートしてくれた橋野キャプテンには感謝したいと思います。一方で、試合全体を振り返れば細かい部分ではいくつかのミスがあったし、試合終了間際の相手陣5mスクラムでトライを取り切れなかったのは、今のイーグルスの弱みであり、チャンピオンチームとの差だと思います。これからも厳しい戦いが続くので、修正すべき点はきちんと修正して、自分たちのラグビーがしっかりできるようにしていくつもりです。」


植松ゲームキャプテン

「メンバーが発表されてからの1週間、1人1人が主体性を持って試合に臨もうということを言い続けてきました。僕には橋野さんのようにみんなをまとめる力はないので、1人1人が高い意識を持って臨んでくれと。そのことをみんなが理解して、自分のやるべきことをしっかりやってくれたことが今日の勝利に結びついたんだと思います。また、橋野さんや三友さん、庭井といった(ゲーム)キャプテン経験者が素晴らしいサポートをしてくれたこと、グラウンドでは菊谷さん、小野澤さんらがチームを鼓舞し続けてくれたことも勝利の一因だと思います。強いプレッシャーを感じながら過ごした1週間でしたが、僕自身とてもいい経験になりました。これからもチームのために頑張りたいと思います。」