MATCH試合

2016.01.16 sat 1月16日(土)

2016.01.16
横浜キヤノン
イーグルス
横浜キヤノンイーグルス
24
FULL
TIME
18
近鉄 ライナーズ
近鉄 ライナーズ
横浜E
1月16日(土) 秩父宮ラグビー場
1月16日(土) 秩父宮
近鉄

試合概要

キックオフ日時2016.01.16 (土) 11:40
試合会場秩父宮ラグビー場
所在地東京都

試合記録

横浜キヤノンイーグルス
横浜E
近鉄 ライナーズ
近鉄
24 17 前半 3 18
7 後半 15
前半 後半
2 1
2 1
0 0
1 0
0 0
3 T 2
3 G 1
0 PT 0
1 PG 2
0 DG 0
前半 後半
0 2
0 1
0 0
1 1
0 0

メンバー

選手名 No. POS. No. 選手名
菅原崇聖 1 PR 1 豊田大樹
庭井祐輔 2 HO 2 樫本敦
城彰 3 PR 3 才田修二
アイブスジャスティン 4 LO 4 村下雅章
菊谷崇 5 LO 5 松岡勇
杉永亮太 6 FL 6 ラトゥイラレプハ
嶋田直人 7 FL 7 タウファ統悦
アダム・トムソン 8 NO.8 8 ピエール・スピース
天野寿紀 9 SH 9 金哲元
橋野皓介(キャプテン) 10 SO 10 重光泰昌
森谷直貴 11 WTB 11 松井寛将
三友良平 12 CTB 12 フランク・ウィンターステイン
ティム・ベネット 13 CTB 13 森田尚希
和田拓 14 WTB 14 島直良
ウィリー・ルルー 15 FB 15 宮田一馬
金子大介 16 R 16 永下安武
東恩納寛太 17 R 17 浅岡勇輝
上田聖 18 R 18 前田龍佑
落合佑輔 19 R 19 山口浩平
植松宗之 20 R 20 辻直幸
福居武 21 R 21 福地達彦
藤近紘二郎 22 R 22 三原亮太
マイケル・ボンド 23 R 23 アンドレ・テイラー

「勝つ」という強い気持ちがチームをまとめ近鉄に勝利、キヤノンイーグルス史上最高順位が確定!

5位決定戦への出場をかけたLIXIL CUP 2回戦の相手は近鉄ライナーズ(以下近鉄)。厳しいトレーニングの成果を昨年以上の順位という形で残すために、この試合になんとしても勝ちたいキヤノンイーグルスがどんな試合を見せてくれるかに注目が集まった。

1万人を超えるファンが駆け付けた冬晴れの秩父宮ラグビー場。定刻の11時40分に近鉄のキックオフで試合が始まった。
開始3分までに両チームがPGでそれぞれ3点ずつ得点するというスタート。その後、主導権を握ったのはキヤノン。スクラムで圧倒し、FBウィリー・ルルーがインゴールへ蹴りこんだボールをLOアイブス ジャスティンが抑えトライ。三友良平がキックを決めて10-3。さらにNo.8アダム・トムソンの大きなゲインからWTB森谷直貴→CTBティム・ベネットと渡りそのままトライ。三友のキック成功で17-3と差を広げた。これに対し近鉄も反撃したがキヤノンはしっかりしたDFで得点差をキープし前半を折り返した。
後半先手を取ったのは近鉄。開始2分にトライ(キック不成功)、さらに8分にPGを決めて17-11と追い上げてきた。流れが近鉄に傾きかけたが、13分にアダム・トムソンが見事な個人技でトライを奪い24-11。近鉄も意地を見せ、35分にトライとキックで24-18と詰め寄ってきたが、キヤノンは執念のDFで守り抜き、勝ちたい試合をものにした。

前半

キヤノンの流れを作った安定したスクラム

15分までトライを奪えない時間帯が続いたが、試合の流れは確実にキヤノンに向いていた。「いつも練習でノンメンバーがしっかりと組んでくれるので、スクラムには自信を持てるようになっています。今日も1本目からいい感触でした。」(PR城彰選手)

FWの頑張りで押し気味に試合を進めたイーグルス、15分にルルーがインゴールに蹴りこんだボールをアイブスがナイスキャッチ、そのままトライを奪った。さらに22分には相手をひきつけたルルーからのパスを受けたベネットが相手ディフェンスの穴を突き、長い距離を走ってトライを奪った。「ひさしぶり。(ここだけ日本語)スペースを見つけていい走りができました。こういうプレーができればキヤノンらしい試合ができます。この勢いを保ち来週もいい試合をしたいです。」(CTBティム・ベネット選手)
どちらも起点になったのはスクラムだった。「先週のパナソニックの試合で凄い経験をしたので、チームとしてその成果を出せたと思います。自分としても今シーズンは試合での経験も増えかなり自信がつきました。これからも頑張ります。」(PR上田聖選手)
この試合で終始圧倒することができたスクラムがこれからもキヤノンの強みとなりそうだ。

チャンスを作るもなかなか追加点が奪えず

2本のトライなどで17-3としたキヤノンに対し、近鉄の激しい攻撃が続いた。しかしキヤノンはしっかりとしたディフェンスで相手のゲインを許さない。そしてようやくやってきたチャンスはやはりこの人。FBルルーが超高速の走りで自陣からハーフウェイラインを突破する。それをしっかりサポートしたのがこの試合スタメン起用となったWTB和田拓だ。「最初からグランドに立てることを嬉しく思い、またノンメンバーの力がキヤノンの成長を支えてくれているので、彼らの分までしっかりプレーしたいと思って臨みました。」
相手のハイタックルでトライにはならなかったが、和田の熱い思いが表現されたワンプレーだった。結局その後、両チーム追加点はなく、17-3のまま前半を終了した。

後半

アダムの個人技で悪い流れを断ち切る

試合の勝敗に大きな影響を与える後半の立ち上がり。近鉄が2分にトライ、8分にPGを決め8点をとり、あっという間に得点は17-11になった。1トライで逆転もありえる点差にまで詰め寄られ、このまま近鉄ペースが続くのは避けたいところだ。早めに悪い流れを断ち切りたいキヤノンは12分にSH福居を投入。「後半立ち上がりの近鉄さんは勢いがありました。テンポを変え、流れを変えるのが僕の仕事。良い入りができました」(福居選手)。
その言葉通り、13分に密集から福居が素早くパスを出し、ボールを受け取ったトムソンがキックとパスの連続フェイクで相手DFを翻弄、そのまま走りきりトライを奪った。「近鉄は80分間しっかりプレーできるチームなので、最後までどうなるかわからない試合でしたが、あのトライで相手の勢いを止めることができたと思います。味方へのパスのタイミングを計っていましたが一瞬前があいたのでそのまま走りこみました」(トムソン選手)。
このトライと三友の正確なキックで24-11とした。

成長を示した最後のディフェンス

さらに勝利を近づけるためにキヤノンはアタックを続けたがフィニッシュに至らず、相手ペナルティーから得た2つのPGのチャンスを惜しくも逃し得点の積み上げはできなかった。
21分にはフォワード第一列を一気に交代しフレッシュなメンバーで仕上げに向かったキヤノン、追加点の欲しい近鉄に対し、安定したセットプレーと果敢なアタックを続けた。しかし29分に事件が起きた。相手の足を持ち上げる形になった三友のタックルが危険なタックルと判定され、シンビン退場となってしまった。
ここぞとばかりにエンジンを全開にして攻撃を続ける近鉄に対し、キヤノンは必至のディフェンスでゴールを守り続けた。しかし35分、ついに近鉄にトライを許してしまい24-18と点差は僅か6点に。
これ以上失点は許されない崖っぷちに立たされたキヤノンだったが、ここで今年しっかり積み上げてきた成長を見せた。残り数分、トライを目指し猛然とタッチライン際を走る相手バックスをトムソンと後半23分から出場したボンドがぎりぎりのところでタッチに押し出した。「あのような場面でチームの神髄が見せられると思っています。一年間の練習はそのためにやってきました」(和田選手)。
ゴール直前まで攻め込まれたキヤノンだったが、最後のラインアウトをHO金子がトムソンにぴったり投げ入れ、橋野が蹴り出してノーサイド。緊張が最高潮に達したラストプレーだった。「さすがに最後は胃がキリキリ痛みました」(永友監督)。
これでキヤノンの5位か6位が確定し、これまで2年連続の7位が最高だったキヤノンイーグルスの歴史をついに塗り替えることができた。

次回は1月23日(土)、5位決定戦となる今シーズン最終戦。トヨタ自動車ヴェルブリッツとの試合が、パロマ瑞穂ラグビー場(愛知)で14時より行われます。シーズン最後の試合ですので、ぜひ会場へ足を運んでいただき、熱い応援を宜しくお願い致します。

インタビュー

●マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた庭井祐輔選手

「セットプレーでプレッシャーをかけることができたのでその点はいい感触を持っています。自分自身では特にいいプレーができたとは思っていないのですが、できる限り前に出て行ったことと、8人全員で上手くスクラムを押せたことが良かったのだと思います。バイスキャプテンとして昨年の順位を超えられてホッとしていますが、まだもう一試合ありますし、もう一つ上(5位)を狙えるチャンスなので、それをしっかり勝ち取って今シーズンを終えられるように頑張ります。」


●フル出場で大活躍、チームを鼓舞し続けた菊谷崇選手

「予定通り、シュミレーション通り上手くできる試合なんて滅多にないので、最後は強い気持ちを持つことがどうしても大事になってきます。相手も必死なので自分たちのラグビーができないのはある程度しょうがない、だからこそ気持ちが大事だと試合中も言い続けました。残念ながら今シーズンはベスト4には入れませんでしたが、次は5位決定戦ですね。トヨタですか?前回は若手中心で勝ちましたが、次は今のベストメンバーで臨み、もう一度勝ちたいです。」


インタビュー

永友監督

「今日もたくさんの応援を頂き有難うございました。本当に最後は胃が痛くなるような展開でしたが、最後まで粘り強く戦ってくれ何とか勝つことができました。今日勝てたのは本当に選手の頑張りであり、またチームの成長の証しだと思います。先週の大敗から切り替えて勝てたことに意義があると思います。トップリーグ昇格後4シーズン目になりますが、また一歩前進することができて嬉しいです。しかし今日のゲームでも、最後の追い詰められた状況にならないように、ゲームをコントロールできていないことが課題として残っています。そこが自分たちコーチ陣の役割だと思っていますので、その点は反省しています。今シーズンも残りあと一試合、もう一つ勝てるようにいい準備をして、来週の試合に向かいます。」


橋野主将

「先週負けてしまいチャンピオンになる目標は断たれてしまったんですが、その後『なんとしても去年を上回るぞ』とみんなで言い続けて今日を迎えました。1点差でもいいからとにかく勝つんだという強い気持ちを最後まで保ち勝つことができました。正直言って今日の試合は本当にしんどかったですし、今シーズンで一番緊張しました。キャプテンとして去年を上回れたことは嬉しいのですが、試合の内容はあまり良くなかったので、次の試合に向け、また一週間でしっかり修正し、5位決定戦に勝って今シーズンを終われるように頑張ります。」