MATCH試合
2016.10.29 sat 10月29日(土)

イーグルス
TIME
試合概要
キックオフ日時 | 2016.10.29 (土) 11:30 |
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試合会場 | 秩父宮ラグビー場 |
所在地 | 東京都 |
試合記録
横浜E |
サニックス |
|||
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35 | 21 | 前半 | 5 | 5 |
14 | 後半 | 0 |
前半 | 後半 |
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3 | 2 |
3 | 2 |
0 | 0 |
0 | 0 |
0 | 0 |
計 | 計 | |
---|---|---|
5 | T | 1 |
5 | G | 0 |
0 | PT | 0 |
0 | PG | 0 |
0 | DG | 0 |
前半 | 後半 |
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1 | 0 |
0 | 0 |
0 | 0 |
0 | 0 |
0 | 0 |
メンバー
選手名 | No. | POS. | No. | 選手名 |
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東恩納寛太 | 1 | PR | 1 | 杉浦敬宏 |
庭井祐輔(キャプテン) | 2 | HO | 2 | 隈本浩太 |
山路泰生 | 3 | PR | 3 | 石澤輝 |
アニセサムエラ | 4 | LO | 4 | 福坪龍一郎 |
菊谷崇 | 5 | LO | 5 | ジャック・ポトヒエッター |
杉永亮太 | 6 | FL | 6 | 鶴岡怜志 |
嶋田直人 | 7 | FL | 7 | 田村衛土 |
アダム・トムソン | 8 | NO.8 | 8 | 新井信善 |
天野寿紀 | 9 | SH | 9 | 濱里耕平 |
ウィリー・ルルー | 10 | SO | 10 | ドウェイン・スウィーニー |
原田季郎 | 11 | WTB | 11 | 屋宜ベンジャミンレイ |
三友良平 | 12 | CTB | 12 | ロビンスブライス |
林大成 | 13 | CTB | 13 | アヒオシリバ |
藤本健友 | 14 | WTB | 14 | アンドリュー・エブリンハム |
マイケル・ボンド | 15 | FB | 15 | ジェイミージェリー・タウランギ |
金子大介 | 16 | R | 16 | 星本泰憲 |
五十嵐優 | 17 | R | 17 | 高島卓久馬 |
レイルアマーフィー | 18 | R | 18 | 高野大智 |
芦谷勇帆 | 19 | R | 19 | 秋田太朗 |
湯澤奨平 | 20 | R | 20 | 金堂礼 |
ジャン・クロード・ルース | 21 | R | 21 | 金城佑 |
藤近紘二郎 | 22 | R | 22 | 田代宙士 |
小野澤宏時 | 23 | R | 23 | カーン・ヘスケス |
好調な相手に対し5トライを奪っての完勝!勝ち点5も奪取して、後半戦に弾みをつける

久しぶりに聖地・秩父宮ラグビー場に戻ってきたイーグルス。前半戦の最終戦となる第9節は、今季8戦5勝3敗と開幕から好調をキープしている宗像サニックスブルース(以下宗像サニックス)との対戦となった。
「トライを取りにいく」というゲームプランのもと、SOウィリー・ルルー、FBマイケル・ボンドというこれまでとは異なる布陣で挑んだイーグルス。開始直後に得たPKでもPGを狙わず、地域を獲得してモール攻撃。ラックからBKに展開し、最後はSH天野寿紀がゴールポスト横に飛び込み先制点を奪う(ゴール成功で7-0)。11分にトライを奪われるも、前半18分にはルルーがディフェンスの裏に蹴ったボールをFL嶋田直人が押さえて突き放す(ゴール成功で14-5)。さらに27分には、相手ゴール前左サイドでパスを受けたLO菊谷崇が相手ディフェンスをハンドオフでなぎ倒し、内側からフォローしてきたWTB原田季郎にラストパス。原田が飛び込んでリードを広げた(ゴール成功で21-5)。
後半も終始、イーグルスペース。走力も体力もあり、オフロード攻撃に長けている相手BK陣にラインブレイクを許すことも何度かあったが、粘り強いディフェンスでゴールラインを死守。逆に、後半8分と17分にFW、BKが一体となった攻撃で追加点をあげ35対5と快勝。ボーナス点を含めて勝ち点5を獲得した。
マン・オブ・ザ・マッチには、ガッツあふれるプレーを随所で披露したほか、チームの精神的支柱としての役割も果たした菊谷が選ばれた。
前半
開始1分のファーストスクラムでPKを獲得。開始2分で先制トライ
実に鮮やかな速攻だった。キックオフのボールを相手がノック・オン。このファーストスクラムを押し込み、いきなりコラプシングの反則を誘う。相手陣22m、右45度の地点。本来なら手堅く3点を狙いにいくところだが、この日のイーグルスは違った。何の迷いもなくタッチに蹴り出し、トライを取りにいったのだ。この積極的な姿勢がいきなり実を結ぶ。ラインアウトからのモール攻撃は相手に阻まれたものの、ラックから9→10→13とわたり、CTB林大成がクラッシュ。ラックから出たボールを天野が判断よく飛び込みゴールポスト下におさえた(ゴール成功で7-0)。

40分間ボールを動かし続け前半だけで3トライを奪取
その後もゲームはイーグルスペースで進んだが、11分にゴール前まで攻め込まれ、思わずオフサイドを犯し、一瞬のスキを突かれて相手No.8に飛び込まれてしまった(ゴール失敗で7-5)。「今日も『取ったのに、すぐ取られてしまう』という悪いパターンにはまってしまうのか?」。誰もがそう思っただろうが、この日のイーグルスは慌てることなく、再び試合を自分たちのペースに引き戻す。追加点は16分。自陣でキックをキャッチしたボンドが相手陣まで持ち込み、何度かフェーズを重ねた後、ルルーが相手ディフェンスの背後に絶妙のキック。外に開いていた嶋田がワンバウンドしたボールを確実にキャッチし、左隅に飛び込んだ。難しい角度からCTB三友良平が見事にコンバージョンを決め14-5。さらに27分、相手ゴール前で得たPKでもPGを狙わずスクラムを選択。スクラムからのボールで一度、林にタテを突かせた後、左に展開。菊谷が強烈なハンドオフで2人をかわし、オフロード気味に内側を走っていた原田にパス。原田もタックルに来る選手をかわし、左隅に飛び込んだ(21-5)。
後半
後半も理想的な“入り”で先制点を奪う
前半30分にルルーが負傷のため退場するというアクシデントがあったが(代わりにジャンクロード・ルースがSOに入る)、この日は、後半の入りも素晴らしかった。宗像サニックスの15番が2分に危険なタックルで一時的退場になったということもあるが、開始5分でトライを奪う。自陣22m付近で相手がこぼしたボールを上手く拾い上げ、ボンドが相手陣まで持ち込んで、途中からSOに入っていたルースにパス。その後、何度かフェーズを重ねて相手ゴール前まで攻め込み、天野からパスを受けたNo.8アダム・トムソンが大外に位置していた嶋田がフリーになっているのを見逃さず、約20mのロングパス。嶋田が左中間に飛び込んだ。

17分に5トライ目。後半はゼロに抑え勝ち点5をゲット
相手に何度かラインブレイクを許したものの、この日は、試合の流れを一度も相手に渡さなかったイーグルス。17分には、相手陣10m付近のスクラムからブラインドサイドを8→9で攻め上がり、WTB小野澤宏時(脳震盪検査を受けるボンドに代わって一時的に出場)がゲイン。ここからラックを連取し、最後はWTB藤本健友が右サイドに飛び込んで差を広げた(ゴール成功で35-5)。その後もPGを狙わず、積極的にトライを取りにいったが、ゴールラインを割ることができず。ただ、相手のアタックに対しても、低い姿勢で刺さり続け、追加点を許すことがなかった。
ここまでの8試合、対戦相手に強豪チームが多かったとはいえ、勝ち星に恵まれなかったイーグルスだが、この日の勝利は相当自信になったはず。ようやく「強いイーグルス」が戻ってきた。12月3日の対トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦からスタートする後半戦は大いに期待できそうだ。
11月はウインドウマンスのためトップリーグの試合はありません。次戦は、12月3日(土)、愛知県のパロマ瑞穂ラグビー場で行われるトヨタ自動車ヴェルブリッツとの戦いになります。ぜひ会場へ足をお運びいただき、熱い応援をよろしくお願いいたします。
インタビュー
●今季初先発でチームに勢いをもたらしたL0菊谷崇

「今シーズン、出場した試合はすべてリザーブからだったのですが、やはり最初から出るというのは気分が違います。僕の最大の役目はチームを落ち着かせることだったので、その部分ではしっかり役割を果たせたと思います。また良いタイミングで湯澤にバトンタッチできたと思います。マン・オブ・ザ・マッチをもらうのは久しぶり。キヤノンでは初めてかも。この賞をもらえたのは、良いパスをくれた天野のおかげ(前半27分原田のトライにつながった場面)です(笑)。チームとしては、まだいろいろ反省すべき点はあるけど、勝って反省できるというのは今のチームにとってありがたいことだと思います。」
●SOとしても高いレベルのプレーを見せてくれたウィリー・ルルー

「SOは4年前に経験したことがありますが、今回は新しいチャレンジということでとても楽しみにしていました。もっともFBに入っている時もファーストレシーバーの位置に入ることがあるので、そんなに大きな差はなく、ほぼいつもと同じような感覚でプレーをしていました。今日は全員の動きが良かったと思います。また、プライベートでも仲が良い天野とのコンビネーションも上手くいきました。相手のハードなタックルで打撲してしまい、30分しか出られなかったのはちょっと残念でした。」
●評価の高いタックルだけでなく、攻撃でも2トライを奪う活躍をみせたFL嶋田直人

「もう1つトライを取るチャンスがあったのですが、ボールを落としてしまいました。あそこで3つ目を取っていればマン・オブ・ザ・マッチだったかもしれません(笑)。冗談はさておき、今日はチームとして良いラグビーができたと思います。ただ、後半のアタックの際、ラインが浅すぎて相手につかまってしまうという場面が何回かあり、取らなければいけない場面で取り切れないところは課題です。もう一度修正すべき点を修正して、後半戦ではさらに成長した姿をお見せしたいです。」
●ディフェンス面では献身的なプレー、アタックでは豪快な突進も見せたFL杉永亮太

「相手がいろんなコースをどんどん走りこんでくるので今日は本当に疲れました(笑)。嶋田さんとともにアタックでもディフェンスでも走りまくったのですが、何とか自分の役割を果たせたような気がします。少しの間ですが良い休みをとって後半戦も頑張りたいです。今日のように思いきったアタックとディフェンスを後半戦でもやって行きたいと思います。」
●前試合に続きトライを挙げ、後半32分からは公式戦初のSHも無難にこなしたWTB原田季郎

「自分自身、前節の試合(パナソニック戦)から動きは良くなってきていると思うし、ボールをもらう感覚やトライを奪う感覚が鋭くなってきたような気がしています。SHに関しては、リザーブにSH専門の選手が入っていない時点で覚悟はしていましたが、まだまだです。特にコミュニケーションが上手く取れていない部分があったので、そのあたりを修正していきたいと思います。」
●この日もスクラムの要として、またムードメーカーとしてチームを引っ張ったPR山路泰生

「今週、チームの雰囲気がとても良かったので、良い試合ができると思っていたのですが、思っていた通りになりました。今回、日本代表に選ばれましたが、僕自身は今日の試合にすべてをぶつけ、なんとしてでもイーグルスの勝利に貢献したいと思っていたので、本当に今日の勝利は嬉しいです。これから1カ月は日本のためにプレーすることになりますが、精一杯やります。そしてできるだけ多くのことを吸収して、チームに持ち帰りたいと思います。」
●FBとして出場し、再三ラインブレイクを披露したFBマイケル・ボンド

「今日は勝利できたことが一番の喜びです。FBとしての自分のプレーもまずまず。ディフェンスに関しては、オフロードさえ止めれば何とかなると思っていましたが、そのオフロードをしっかり止められたことが勝利につながったのだと思います。また、ウィリー(ルルー)との連携も上手く取れていて、ポジショニングの点でも大きなミスはなかったと思います。後半戦も今日のような勢いで勝利を積み重ねていきたいです。」
●今季初出場ながら、献身的なタックルでピンチを未然に防いだLO湯澤奨平

「前の試合、リザーブながら出場できずに悔しい思いをしただけに、今日はグランドに立つことができて、しかも長い時間(27分間)プレーできて本当にうれしかったです。意識していたタックルもそれなりにできたと思います。必死でプレーしたので少し疲れました(笑)。途中出場ということで、この試合の良いリズムを崩してはいけないし、またチームを落ち着かせる役目も担っていたのですが、そのあたりの仕事もきちんとできたと思います。」
インタビュー
永友監督

「今日は、『トライを取りにいく』というゲームプランを立てて試合に臨みました。その理由は2つあって、1つは、トライを取って選手に自信をつけさせたかったこと。もう1つは、サニックスさんはボールを持つと怖いチームなので、できるだけボールを持たせる時間を少なくしたいと考えたからです。ルルーをスタンドオフに置いたのも、彼ならトライを取るためには何をすべきかが判断できると思ったからです。結果的にはそれが功を奏したわけですが、キャプテンの庭井をはじめ、選手全員がそのゲームプランを最後までぶれずに遂行してくれたことが良かったと思います。また、今日はディフェンス面でも粘り強く戦ってくれたと思いますが、これに関しては、山路が日本代表に選ばれたという“山路効果”も大いにあったのではないかと思っています。人望の厚い山路が一生懸命努力して日本代表の座を掴んだということに感動を覚えた選手も多かったはずです。チーム全員が山路の日本代表入りを喜び、そのことがチームにも活気をもたらしたと思います。良い形で前半戦を終えることができたのは大きいと思います。この勢いをキープして後半戦に挑みたいです。」
庭井キャプテン

「今日は、『トライを取りにいく』というゲームプランを立て、PKをもらってもPGを狙わず、タッチに蹴り、ラインアウトからモールでトライを取りにいこうとしましたが、その部分はしっかりできたと思います。スクラムもいい組み方ができたし、組み勝っていたと思っています。ただ、まだまだ一人ひとりのプレーの精度が低い部分もあり、チャンスをもらいながらもトライを取り切れなかったというシーンがいくつかあったのは反省すべき点です。苦戦していましたので、前半戦最後の試合にしっかりと勝て、ウインドウマンス(1ヵ月の休養月)に入れることはチームにとってとても良いことだと思います。この1カ月間に心身ともにリフレッシュし、そして必要なところをしっかり修正して、後半戦は勝利を積み重ねていきたいと思います。」