■見どころ

イーグルスペースの試合になるかが「鍵」

トヨタ自動車ヴェルブリッツ（以下ヴェルブリッツ）との対戦成績は2012-2013シーズンでは26-34、2013-2014シーズンの2ndステージでは19-24で２戦とも敗れています。それぞれ僅差での敗戦でしたが、両チームのゲームスタイルが異なるため自分達のペースで試合を進めることができるかどうかで、展開が変わってきます。

ヴェルブリッツはフィジカルなプレーで圧倒してくるでしょう。相手を押し込めた後、ハーフ団*がキックを織り交ぜスピードランナーを走らせます。
またFWはセットプレーを中心に一直線に前に進んできます。スクラム、ラインアウトから体を生かしたサイドアタック、ドライビングモール**と連続攻撃を仕掛けてくることが予想されます。
BKはハーフ団がFWの近場を攻め、そこに相手を集めて大きく展開するとWTB、FBがフィニッシュを狙ってきます。

一方のイーグルスはヴェルブリッツの攻撃のリズムを断ち切らなくてはいけません。特にセットプレーでは押し込まれでは苦しくなります。
今シーズン自信を持って組むスクラム、菅原、山本、城の第一列の踏ん張りに期待です。
ラインアウトからのドライビングモールは低い姿勢で押し返さないと大きくゲインを許すことになります。
日高、宇佐美、トムソンのラインアウトキャッチャーは相手にプレッシャーをかけ、スムーズな球出しを防ぐことが大事です。
相手のハーフ団にかき回されると穴が開くので、ハーフ、フランカーの前に出るディフェンスで食い止めたいところです。
トムソン、竹山、菊谷のバックロー陣が体を張ったタックルで食い止めるでしょう。SHの福居もディフェンスでは厳しいタックルに入ります。BKのラインディフェンスはブルース、三友、ベネットが息の合った動きで相手を自由には動かさないでしょう。

緊張の糸を切らさず破綻しないディフェンスを続けていれば必ずチャンスはきます。
相手のミスに乗じて相手ラインの裏に出ることができれば、イーグルスのスピードランナーがチャンスをものにしてくれるはずです。
絶好調の原田、堅実な和田がスペースを見つけて走り込みチャンスを拡大します。BKラインは多様な攻めを見せてくれることでしょう！
ゲームの流れで選手の交代があります。テンポアップを仕掛ける選手、圧力をかける選手など場面に応じた選手交代にもぜひご注目ください。
この試合に登録されるイーグルスのルーキーは4名、それぞれが緊張のデビュー戦になります。彼らの大学時代からバージョンアップした姿にご期待ください。

そして、この日を待ち望んでいたプレーヤーがいます。今シーズンよりトヨタから移籍した菊谷崇です。
彼は「古巣に恩返しをしたい」と話していましたが、勝手知ったるチームの酸いも甘いも織り込み、先頭に立ってイーグルスを鼓舞し、彼にボールが回れば必ずゲインしてくれるでしょう。もちろん相手のチェックも厳しいと想定されますが、そのうえでの活躍に期待がかかります。
この日の試合は菊谷のプライドに期待です。

＊ハーフ団：９番と１０番の選手をいう。スクラム後の攻撃を左右する重要な役割

＊＊ドライビングモール：おもにラインアウトから意図的にモール（密集）を形成して押すことにより前進を図ること。

■メンバー

★は新加入選手