リチャード・ハビーリ・カウフシ選手 インタビュー

今シーズン、ＮＴＴコミュニケーションズシャイニングアークスからキヤノンイーグルスへ移籍してきたリチャード・ハビーリ・カウフシ選手（トンガ出身、トンガＵ20代表・キャプテン）に今の心境、キヤノンでやりたいこと等を聞きました。

■キヤノンに入って変わったこと

スタッフの雰囲気、チームの雰囲気がとても明るいです。みんなとてもフレンドリー！チームにジョインして２日目頃にはもうみんなと仲良くなりました。「リッチー、リッチー」って声かけてもらえるのがうれしいです。自分自身も前より明るくなった気がします。
それとハードトレイニングしている時でも、チームメイトの誰一人として文句を言わないところが素晴らしいと思いました。キヤノンに入れてとてもうれしいです。

■日本へ、そしてトップリーガーへ

１８歳から２０歳までトンガでプレーして本当に頑張りました。トンガのU20ではキャプテンも務めました。でも残念ながらプロのスカウトは来ませんでした。そんな時日本の花園大学から誘いがあって日本に行くことを決めました。しかし花園大学は残念ながらそれほど強い選手が揃っておらず、チームとして悔しい思いをたくさんしました。そして大学時代は経済的にも大変でした。当時の少ない収入のほとんどを親へ仕送りし、残りのわずかなお金で生活していたので正直食べるものにも困る程でした。お米と砂糖と卵だけでお腹を満たすこともありましたし、試合後にスポーツドリンクを濃く作って飲んだり、それはもう大変でした。
花園大学を卒業して六甲クラブに入り、そこで日本一になりだんだん周りから注目されるようになりました。そしてNTTコミュニケーションズシャイニングアークスの入団試験に挑戦し合格し、念願のトップリーガ―になることができました。その後ＮＴＴに2年在籍し、今シーズンからイーグルスにお世話になることになりました。

■今年結婚

今年の３月に日本人の女性と結婚しました。とても良いパートナーに巡り会へ本当に幸せです。彼女と付き合い始めてからどんどん自分もまじめになっているし、幸せなことが増えました。たとえば以前は飲み会で遅くなることもあったが、いまは必ず終電前に帰るようにしています。私生活も充実してラグビー環境もより良くなってこんなにハッピーなことはありません。

■筋トレ好き

筋トレはトンガにいたころから一生懸命やっています。筋トレが好きです。そして筋トレをしっかりしているせいで今までも大きなけがをしたことがありません。これからもしっかりと体を作ってトップリーグの試合に出てもけがなく活躍できるようになりたいと思います。

■バックスならどこでも

今27歳になりました。僕はバックスのポジションならどこでもやれる自信があります。トンガでプレーしていた時から状況に応じてどこでもやってきました。スタンドオフ、ウィング、フルバックが多いですが。イーグルスのバックスには良い選手が多いので競争は大変だと思いますが、自分の良いところを伸ばして試合に出たいです。イーグルスのバックスの中で特にトキローさん（原田）が凄いと思っています。あんなに小さいのに速くて、強くて、上手いです。負けないように頑張ります。

■ファンのみなさんへ

キヤノンイーグルスに入れたことに感謝しています。トンガにいる母親へ仕送りもちゃんとできるし、素晴らしいパートナーと結婚できたし、そういう「今」に感謝して、ラグビーをやっていきたいと思います。こういう素晴らしい環境を与えてくれたことに感謝する気持ちをもって、この生活を守るためにも、全力で気迫あふれるプレーをし、恩返しがしたいです。試合に出る時はいつもこの気持ちを忘れないようにしたいです。そうすればきっと良いプレーができると信じています。
また僕が頑張ることで、後輩のトンガ選手たちにも注目が集まればこんなにうれしいことはありません。今も花園大学には３人のトンガ人選手がいます。おそらく僕がそうだったように彼らも今は厳しい生活をしていると思います。とても優秀な選手たちなので活躍できる場が見つかることを祈っています。みなさんも注目してあげてください。