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選手インタビュー

2022年9月24日 | PR杉本達郎選手インタビュー

「パフォーマンスの向上を実感しているからこそがんばれる」

トップリーグ(現リーグワン)1年目からレギュラーの座をつかみ活躍してきた25歳の未来あるタイトヘッドPR杉本達郎は、リーグワン元年の昨シーズン、思わぬ事態に直面した。NTTグループの再編に伴い、所属していたNTTドコモレッドハリケーンズ大阪の強化規模の縮小とディビジョン1から3への降格が決定。同グループのNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安に強化を集中し、新チーム「浦安D-Rocks」として再スタートを切ることとなった(今季はディビジョン2)。

レッドハリケーンズでさらなる飛躍を目指していたPRは、慣れ親しんだ生まれ故郷の大阪を離れて横浜キヤノンイーグルスの門を叩いた。その決断に至る経緯やイーグルスで実感している成長、初めての東京での生活についてなど、現在の心境を聞いた。

(取材日:2022年9月16日)




■「外に出てプロ選手になってチャレンジしていこう」と決断

──NTTドコモレッドハリケーンズ(現NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)で1年目からレギュラーとなり3シーズン活躍されましたが、移籍を決断された動機を聞かせてください。

「会社の再編に伴いチームが大きく変わることになりました。レッドハリケーンズの選手もシャイニングアークスの選手もいろいろ考えたと思います。僕は今年26歳、社会人4年目で、まだまださらなる高みを目指してラグビーをやっていきたい、という気持ちが強かったので、むしろこれはいい機会だと捉えるようになりました」

──悩んだ末に、素直に前を向いたわけですね。

「はい。レッドハリケーンズでは社員選手でしたが、外に出てプロ選手になってどんどんチャレンジしていこう、という気持ちに切り替えました。今季からプロ選手としてイーグルスでプレーします」

──タイトヘッドPRとして期待されている杉本選手ですが、ラグビーを始めたのは高1からということで、トップ選手の中では遅めのスタートでした。

「それまではずっと極真空手をやっていました。キックボクシングも少し経験するなど格闘技をメインに取り組んでいて、引き続きその道を歩んでいきたいという気持ちもあったのですが、ある程度の成績を残すことができたので『今度は新しいスポーツをやってみたい』と思うようになりました。父がラグビー経験者で、実家から近い花園ラグビー場に時々観戦に行っていたこともあって、興味を持つようになっていたラグビーを始めることにしました」

──東大阪大学柏原高校がラグビーキャリアのスタートとなりました。

「強豪校というわけではなかったのですが、現役時代はNTTドコモでプレーされていたラグビー部の平野雄大監督と出会い、キャリアをスタートさせることになりました。僕の恩師です」

──その時からPRだったのでしょうか?

「監督もPRの選手だったので僕もPRをやるようにと指導していただきました。当初はルースヘッド(左PR)でしたが高3ぐらいからタイトヘッド(右PR)に転向し、キャプテンも務めました」

──当時のキャプテンの経験は、今も生きていますか?

「そうですね。チーム全体を見ながらみんなに声をかけたり気配りができるようになったので、そのあたりは今でも生きているのではないかと思います」

──関西大学時代は関西学生代表に選ばれました。

「4回生の時ですね。3回生の時点で『より高いレベルでラグビーがやりたい』という気持ちになって、監督やスタッフの方にそのように伝えていました。その後、関西学生代表になれたことも自分にとって大きかったですし、セレクションなどにも必死に取り組んで、レッドハリケーンズに入ることができました」

──晴れてトップリーガーとなり、レッドハリケーンズでは1年目から活躍されていました。それまでの経験が生きたのでしょうか?

「たとえばスクラムについては、レッドハリケーンズにはスクラムのリーダーがいなかったので若手の一人として積極的に声を出して、みんなで考えながらスクラムの強化に取り組んでいました。みんながリーダーのようになって強化を進めていくことができました」

──トップリーグのラストイヤーとなった2021シーズン、レッドハリケーンズはチーム史上最高の5位(ホワイトカンファレンス3位)という結果を残しました。やはり手応えはありましたか?

「そうですね。監督、コーチ陣が変わり、その前のシーズンとは違ってまとまりや自信が感じられるチームに変わりました。練習量も増えてハードになったことが自信に変わったのだと思いますし、自分の成長にもつながりました」

──まさに快進撃と言えるシーズンでしたが、リーグワン元年の昨シーズンは12チーム中11位と低迷しました。環境面、精神面の影響はあったのでしょうか?

「会社の問題とは切り離して自分は自分のプレーを続けていましたので、成績とはほとんど関係ないと思っています」

■細やかなコーチングで「地道にレベルアップ」

──その後イーグルスへの移籍を決断することになりますが、外から見ていてどのようなチームだと感じていましたか?

「すごく賢いラグビーをするチームというイメージがありました。一人一人がやるべきことを遂行して最後はトライに結びつけている、そんなチームだと思っていました。実際に入ってみてもほぼそのイメージ通りなのですが、新たに感じたのは選手同士がよく話し合っていることです。例えばミスが出たら次のプレーでどう良くしていくかをみんなで考えてやっている、そんなチームです」

──沢木敬介監督の指導についてはどのように感じていますか?

「もちろん厳しい部分もあるのですが、厳しい練習をやっていくにつれて自分のパフォーマンスが上がっているのを実感しています。だからこそがんばれる、という前向きな気持ちで取り組んでいます」

──どんな面での成長を実感していますか?

「スキルはもちろんですが、やはり気持ちの面ですね。しんどい時のメンタルが向上している感覚があります。また、スクラムに関してはレッドハリケーンズまでは日本人のコーチの指導を受けてきましたが、今のCJ(・ファンデル・リンデ アシスタントコーチ)には今までの日本のスクラムとは全く違う海外のスクラムを教えていただいていて、すごく自分のためになっています。まだまだこれからではありますが、例えばヒットのタイミングなど細かいところの知識やテクニックを吸収しているところで、とても楽しく練習できています」

──まずはスクラムの強化から、ですね。

「やはりPRとして大事なのはスクラムを含むセットプレーです。安定させるのはもちろん当たり前で、より攻撃的なスクラムを組んでいきたいですし、相手に常にプレッシャーをかけるマインドを持って臨みたいです。特に最近はスクラムが強いチームこそ上位に行けると感じていますので、本当に大事なポイントだと思っています」

──スクラム以外でも成長を感じていますか?

「はい。遠藤(哲)コーチはラインアウトで、佐々木(隆道)コーチはディフェンス面で、細かいところまで教えてくれます。CJもそうです。地道にレベルアップしながら日々練習に取り組んでいます」

■オンとオフの「切り替えも含めて楽しんでいる」

──大阪の高校、大学、そしてレッドハリケーンズとキャリアを重ねて、今年初めて東京での生活が始まりました。

「生活面の変化はやはり大きいですね。最近やっと慣れてはきましたが、東京の土地勘が全くないので最初は困ることもありました」

──大阪では好きな場所や癒されるところなどはあったのでしょうか?

「いろいろあります。僕はコミュニケーションを取るのが好きなので、よくコーヒーを飲みに行っていました。あとはアウトドアが好きで、時々選手を集めてキャンプに行っていました。関西では大阪よりも滋賀や京都の川に出かけてリカバリーしていましたね。そういう時間があったからこそがんばることができました」

──アウトドア用品は東京に持ってきていますか?

「はい。先週は安(昌豪)ちゃん、(川村)慎さん、嶋田(直人)さん、喜連(航平)さんと秋川の方に行ってきました」

──移籍組を中心に親交を深めたのですね。

「はい。他の選手もフレンドリーに接していただいているので、仲良くなっています。厳しい練習が続いていますが、そのような切り替えも含めて楽しんでいるところです」

──厳しい練習を経て成長を実感されているということですが、あらためて今季にかける意気込みをお願いします。

「チームスローガンの『WINNERS MINDSET』を常に自分の胸に置いて、練習だけでなく食事やリカバリーなど細かいところも意識して、リーグワン開幕に向けてがんばっていきます。タイトヘッドPRとしてやっている以上、当然3番(先発)のジャージーを着たい気持ちが強いですし、狙いにいきます。そして開幕の12月から来年5月まで、全試合に出場したいと思っています」

──古巣のレッドハリケーンズや、かつてのチームメイトの一部が移籍した浦安D-Rocksとは対戦する機会がありませんが、一緒にプレーした仲間のことも気になっていますか?

「そうですね。またディビジョン1で対戦できたらうれしいです。僕もイーグルスでの活躍を目指して、最終的にはラグビー界の盛り上がりに貢献したいと思っています」




趣味のアウトドアも交えながら新しい仲間たちと積極的に交流を図る杉本は、インタビューからも感じられた高いコミュニケーション力により早くもチームに溶け込んでいる。タイトヘッドPRはライバルが多いポジションだが、さらなる進化を目指して「3番」争いに食い込んでくることは間違いないだろう。

新天地でいきいきとスクラムを組む彼の姿を、ぜひスタジアムで見ていただきたい。

(インタビュー&撮影:齋藤 龍太郎)

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