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スタッフインタビュー

2015年6月9日 | 永友監督インタビュー

2015-2016シーズンのトップリーグスケジュールが発表され、いよいよ各チームとも今シーズンに向けた活動を本格始動しているところです。キヤノンイーグルスも5月12日にキックオフミーティングを行い、チーム全員に新体制が周知されフレッシュな気持ちで練習に取り組んでいます。
そこで今シーズンをどのように戦っていくのか永友洋司監督にインタビューをしました。

永友洋司監督

イーグルスを指揮して7年目

イーグルスを指揮して7シーズン目を迎えることになりました。長いようで短いようで、今まで必死に取り組んできましたので時間の感覚は何とも言い難いです。いままでずいぶんと変わったと思います。イーグルスの変化というか成長のスピードは大変なものがあると思っています。一年一年の積み重ねには違いありませんが、選手の力も着々とついてきていると思いますし、今では、まだ足りないかもしれませんがイーグルスというチームの伝統も、チームの文化もできてきていると感じます。

あるのはボールだけだった

振り返って、現在と比べると最初の頃は何もなかったですよね。本当にゼロからのスタートという言葉がぴったりでした。ゴールポストもない、あるのはボールだけ、それまで社会人チームのトップレベルでやってきたわけですから、ある意味驚きの世界に入ったというのが正直な印象でしたね。
そういうスタート時点を思えば、現在の施設・環境もそうだし、ありえないスピードで進化してきたと思います。ラグビーの中身も大きく変わりました。トップリーグに上がって3年、ほとんどのチームはトップリーグに上がっても、その後降格して、また上がって、ということを繰り返し徐々にチームのポジションを作っていくのが普通だと思います。キヤノンの場合はトップリーグに上がり、その後落ちずに中堅ポジションをキープしているのはすごいことだと思います。

同じ7位でも

昨シーズン、残念ながらその前のシーズンと同じ7位ということで終了しましたが、同じ7位でも中身はずいぶんと違うと思っています。いろいろな面で進歩はしていると認識しています。データ、分析した数字でも表れていることですが、たとえば選手たちの運動量の持続時間が延びて来ています。トップリーグ一年目が20分、2年目が40分、そして昨シーズンが60分戦えるようになっています。まあ本当に表面的には足踏みでしたが今シーズンさらに飛躍するための踊り場だったと思います。

補強はうまくいった

今年新しくイーグルスに入ってくれた選手には大変満足しています。
新卒の5人、林大成、高島忍、清水新也、東恩納寛太、杉本亮太、NTTコミュニケーションから入ってくれたリチャード・ハビーリ・カウフシ、そして先日発表した南アフリカ代表のウィリー・ルルーとフランソワ・ホーハートです。
スカウトが頑張ってくれたと思いますし、会社の理解・サポートにも感謝しています。
先ほどの話じゃないですが、今でこそイーグルスというチームに興味を持ってもらえるようになっていますが、昔はキヤノンってラグビーやっているんですか?みたいな反応でしたからね(笑)。こうした点も大きく進歩したところだと思っています。

私が現役の頃に比べれば、選手層の厚さがトップリーグで戦う上での重要なポイントになっていると思うんですね。ですから各ポジションを担う選手のレベル差をなくすことが重要です。いくつかのポジションではそれが実を結ぶのには多少時間がかかると思いますし、今後さらに競争させ、切磋琢磨させなければならないポジションがまだあるのは事実です。
それと帝京から来た2人はいろんな意味でチームに良い影響を与えてくれると期待しています。日本一を経験したことのあるチーム、しかもその中核を担っていたレギュラーだった2人が入ったことで、特に若い選手たちは良い意味で彼らから逆に刺激を受けて欲しいです。やはり日本一を知っている雰囲気があります。学生であってもそういう経験を持っていることは大きいと思います。プレーも、プレー以外のところでも良い刺激になってくれることを期待しています。
南アからやって来るルルーとホーハート、たぶん彼らはワールドカップに南ア代表として出場するでしょうから、イーグルスへの合流はトップリーグ開幕直前になることが考えられます。チームへのマッチングやコンディショニング等当初は難しい面もあるかもしれませんが、彼らの高いスキルと日本のラグビーへのリスペクトと情熱があれば比較的スムーズにチームメンバーとして溶け込んでくれるのではないかと思います。幸い今年からアルベルトとギデオンという南ア出身のコーチ陣がチームにいることも相乗効果を生むのではないでしょうか。ものすごくインパクトのあるプレイヤーなので、チームの起爆剤になると期待しています。彼らの力を100%以上活かすような使い方をしていきたいと思います。

ウィリー・ルルー選手、フランソワ・ホーハート選手

新コーチ体制

今シーズンからアシスタントヘッドコーチにアルベルト・ヴァン・デン・ベルグが、フォワードコーチにギデオン・レンシングが、そしてアシスタントバックスコーチに昨年まで選手だった田井中が就任してくれました。
シーズンを戦う上でいつも「準備」が最も大切だと思っており、コーチ陣の役割はトップリーグの開幕にしっかりと照準を合わせチームの力を高めることに尽きると思っています。
その準備をしっかりと進めるために素晴らしいコーチが来てくれたと思っています。
バックスコーチの今村は今年戦っていくために何が必要かもう十分わかっていると思います。昨年まで選手だった田井中がアシスタントとしてサポートすることでより選手とのコミュニケーションがとれ、選手へのきめ細かい指導ができると思っています。一方で新任のアルベルトとキース(ギデオンの愛称)は選手たちとできるだけ対峙して、過去のゲームを分析して、少しでも早く的確にイーグルスに必要なことを見つけて欲しいと思います。
中でも、あまり詳しくは言えませんが、セットピースからのスペシャルプレー等、今年のターゲットとしているラグビーができるようにしっかりと指導してもらいたいと期待しています。
外国人のコーチに言えることですが、日本人のオリジナリティー(体格、骨格、筋力、パワー)を生かすことが大事で、日本人にフィットしたスキルを身に着けさせることを望んでいます。
まあ人に何かを教える上で最後は情熱。良くしよう、強くしよう、勝てるようにしようという情熱を持ち続けてほしいです。そういう意味でアルベルトとキースは情熱を持ったコーチです。

アルベルト アシスタントヘッドコーチ、ギデオン FWコーチ、田井中 アシスタントBKコーチ

アルベルト

 

今回彼にはアシスタントヘッドコーチとして来てもらいました。彼のことは当然ながらプレイヤーの時から知っていますが、非常に素晴らしい人間性を備えています。人間性はそう変わらないし変えられないものなので、その素晴らしい人間性をコーチとしても生かしてもらいたいです。
アルベルトとプレーした経験のある選手もいます。そして彼は日本語も少し話せます。当時のイーグルスという発展途上のチームで一緒にイーグルスを強くしていった時代のことを知っている人間が、コーチとしてあらためてイーグルスに戻ってきてくれたので、今まで以上にコミュニケーションが良くなると思っています。
彼には、敢えて言えば、ブレーキ役を期待したいです。ブレーキ役とは、たとえばコーチ陣が突っ走っている時に、選手の気持ちを理解し、コーチ陣と選手そしてコーチ陣と監督との間にミスコミュニケーションが起こらないように冷静に対処する役割です。
これからチームをさらに上のステージに導くためには、今まで以上に選手が何を考えているかを深く理解する必要性を感じています。選手もどんどん大人になっていますから。ワンウェイの状態に陥ることを避けたいですね。私自身常にこの点を重視し、双方向のコミュニケーションになるよう努力していますが、アルベルトが入ることでもっとスムーズに良くなると思っています。

イーグルススピリッツは不変

5月12日にチームのキックオフミーティングをやりました。選手、スタッフが一同に会し新しいシーズンに臨むための考え方や体制を発表し一つになってシーズンを勝ち抜くためのミーティングです。今年の目標、考え方、いろいろな役割を決めました。
今年もイーグルススピリッツは変えません。僕が来てからはずっと同じです。イーグルスが発足した時も「passion for victory」を旗印にし、それは今も変わりませんよね。
私は私がラグビーをやる上で最も大事にしている3つを掲げ続けます。
・Respect (尊重・尊敬)
・Discipline (規律)
・Passion (情熱)

チームモットー

今年のチームモットーは"TEAM FIRST"です。チームに最も大切なのは一体感です。グラウンド内でもグラウンド外でも、ゲームの時ボールを持っている時も持っていない時も、練習・試合から日常生活まで、どんな時もイーグルスというチームのことを一番最初に一番大切なものだと考えてほしい、そう考えて何事にも取り組んでもらいたい。そういう思いから今年のモットーをこう決めました。

キャプテン、バイスキャプテンが変わった

和田が3年間キャプテンとして良く頑張ってくれました。トップリーグと言う未知の世界に上がってのキャプテンでしたからとても大変だったと思います。和田ともじっくりと話しました。3年間重責を果たし続けてきた疲れもあるのではないか、疲れと言うと変かも知れませんが、彼がさらに成長するためにもここで一プレイヤーとして自分のことをしっかりと見つめなおす時間も必要か考えキャプテンを変える決断をしました。
最後、5月の関東代表として戦った時に、関東代表の監督を私が、関東代表のキャプテンを和田が努め、とても良いゲームだったと思っています。あの試合でも和田はとても良いキャプテンシーを発揮してくれたと思います。ああいうものがイーグルスの財産になるに違いありません。
リーダーを決めるのは簡単なことではありません。リーダーは誰なんだ、選手たち、コーチ陣、監督がそれぞれの目線で考え、ミーティングを重ねながら、またいろいろな手法を使いながら、リーダーを選びました。言葉の端々、日ごろの言動からチームをまとめられるのは誰なんだろうかと考えていました。チームファースト、一体感を作るためにもキャプテン選びは大切で、選手やスタッフにアンケートみたいなことをやったこともありました。

橋野キャプテン、庭井バイスキャプテン、三友バイスキャプテン

橋野新キャプテンへの期待

新キャプテンとしての橋野への期待は大きいです。彼自身今はまだリハビリ中ですが、開幕には十分間に合うよういろいろとやってくれています。プレーでも引っ張ってもらいたいし、それ以外でも選手目線でチームをまとめ、一丸となってラグビーに集中できる雰囲気も作ってもらいたいです。彼に関して言えば先ほども言いましたが、グラウンドはもちろん、ロッカー、グラウンド外での言動を含め周りを納得させることができると思います。

バイスキャプテンには庭井と三友

我々が考えるリーダー像、選手たちが考えるリーダー像、それぞれありますが、庭井の場合、若いのですが両方から見るリーダー像に一致していました。

彼は練習や試合のプレーの中でリスペクトされるものがあります。かつ一つ一つの言動も、2年目ですがとてもしっかりしています。大学時代立命館でキャプテンをやっていたこともあると思いますが、率先垂範という姿勢を言葉と行動で感じさせる選手です。
一方、三友をもう一人のバイスキャプテンにしました。彼の場合は若くはない、むしろベテランと言えます。橋野も庭井も社員選手。三友はプロ。プロ選手の立場・視点でいろいろと考え行動できると思っています。三友は仕事(社業)のある社員選手と仕事のないプロ選手の両方のことをわかっています。プロ選手をしっかりとまとめその上で社員選手とうまくやれる、社員選手とプロ選手をうまく結び付け一緒にゴールに向かわせる役割を担ってほしいと思っています。彼ならそれができると思います。
今シーズンのキャプテン、バイスキャプテンはいろいろな意味でバランスがとれた面白い布陣だと思います。

今季トップリーグのスケジュールが違う

今年はワールドカップイヤ―ということでトップリーグの開幕も遅くなりで全体の期間が短くなり試合数も減り、日程的にはハードになります。今年の戦い方は、短期決戦的になりますので今までに比べより「ピーキング」が非常に大切になるのではないかと思っています。
イーグルスからも何人かはジャパンに選ばれると思いますが、選ばれた人がいなくても戦えるようなチーム作り、準備をしっかりしておくことが必要だと思います。
開幕が遅くなるということはそれだけ準備にかけられる時間が長くなるので、今まで以上にいろいろなポイントを細かく分けた上で、それぞれにじっくりと取り組もうと思っています。逆に一旦開幕してしまうと、毎週試合の連続になり、その中で作りこんだり修正したりすることは難しいと思っています。ですから先ほども言いましたがピークを開幕に持って行きそのままの勢いで最後まで乗り切ることが大切になります。
去年も開幕にピークを持って行きましたが、その後、けがなどで選手が変わり、残念ながら戦力が落ちてしまいました。選手が変わっても同じ戦い方ができるまで層が厚くなかったと言えます。ですから戦い方を変えないで良いくらい選手の層を厚くしていくことをやって行きたいです。

プレシーズンの位置づけ

プレシーズンに行われるマッチはいわゆるチーム内のAチームとBチームの差を埋めるための良い機会ととらえて、積極的な選手起用をしてみたいです。選手たちもそれを理解してゲームに臨んでもらいたい。いろいろと試す良い機会ではありますが、戦う以上は勝ちにこだわりたいという思いもあります。プレシーズンマッチはトップリーグ開幕に向けての準備には違いないのですが、やるからには勝ちにもこだわりたい、ちょっと欲張りですがそう考えています。

プレシーズンマッチにリコー戦が組まれた

昨年リコーさんは9位、(グループBのトップ)キヤノンは7位、力の接近したチーム同士だと思っています。やはりリコーさんは良きライバルで、いろいろな背景がありますよね。企業スポーツとして見てくれる方、特に社員のみなさんに喜ばれる試合をしたいと思っています。9月18日(金)のナイター、秩父宮ですよね。プレシーズンとは言え盛り上がらざるを得ないのではないでしょうか?(笑)

今シーズンの目標

やるからにはトップリーグチャンピオン、日本選手権チャンピオンの2冠をとる気概で臨みます。今までもやるからには優勝といつも言ってきましたが、本当にそういう高い目標を設定し、そういう高みに挑戦するチームなんだと言うことを一人一人が心から思わないといけないと思っています。4位で良いやと思っているようなら4位にもなれないのです。
新人のインタビュー記事の中で林がチャンピオンになる前にチャンピオンチームの自覚が持てなければチャンピオンにはなれないというようなことを言っていましたが、そうだと思います。できるかできないかではなく、やるんだという気持ちを持てるかだと思います。
開幕後、想定外のことが起こるのは当然ですが、そうした場合にも選手たちの気持ちを切らせない、高いモチベーションをキープし続けさせることが重要です。そのためにもやはり「準備」。何が起きても対応できる準備が大切です。

ファンの方へメッセージ

永友洋司監督

トップリーグ4シーズン目をいよいよ迎えます。2年目3年目と順位は同じでしたが中身は着実に大きく進化しています。今年もこれから開幕までの時間を有効に使い、さらに選手一人一人を、そしてチームを進化させ、今まで以上に力のあるチームに仕上げます。みなさんの応援が苦しい場面を乗り越える原動力になります。是非試合会場に足を運んでいただき応援をお願いしたいと思います。選手たちの気迫あふれるプレー、イーグルスの戦いに期待して下さい。

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