前半怒涛の5トライ5ゴールでNECを圧倒、勝ち点5をゲットし9位に浮上!
10月29日の宗像サニックス戦以来、約2カ月ぶりの秩父宮ラグビー場。相手は、勝ち点20で並ぶNECグリーンロケッツ(以下NEC)。午前11時半、快晴、無風の聖地にキックオフを告げるホイッスルが鳴り響いた。
先制したのは、キヤノンイーグルス。自陣22mから攻め上がり、FBウィリー・ルルーが相手ディフェンスの背後に転がしたボールを自分で拾ってトライ(ゴール成功で7-0)。この先制点で勢いに乗ったイーグルスは、13分、16分、18分とトライを重ね(すべてゴール成功で28-0)、あっという間にNECを突き放した。28分に1トライ1ゴールを返されるも32分(トライ&ゴール)、41分(PG)に追加点。前半は38-7で折り返した。
後半も序盤はイーグルスペースで試合が進んだが、なかなかゴールを割れず。次第に流れが悪くなり、後半25分にトライを奪われる(ゴール成功で38-14)。30分にはCTB野口裕也のトライで7点を加えたが、31分にはノーホイッスルトライで7点を失う。その後もNECにディフェンスラインを切り裂かれ絶体絶命のピンチを迎えたが、何とかしのぎ切り、勝ち点5をゲットした。マン・オブ・ザ・マッチには、好タックルが光った“頼れるキャプテン”庭井祐輔が選ばれた。
前半
ブレイクダウンを支配したイーグルス。BKも縦横無尽に駆け抜ける
NECキックオフで始まったこの試合。開始早々からイーグルスがいいテンポでフェーズを重ねる。4分のファーストスクラムでも低い押しで相手のオフサイドを誘発するなどゲームをコントロール。待望の先制点を挙げたのは開始7分。自陣22m付近のラインアウトから左に展開。敵陣に駆け上がったルルーがディフェンスの背後にボールを転がし、NECディフェンスがハンブルしたボールを自身で奪い取り左中間にトライ(ゴール成功で7-0)。その5分後、今度は、SOジャンクロード・ルースがディフェンスの背後に蹴ったボールをCTB三友良平が拾い上げてトライを奪った(ゴール成功で14-0)。さらにその3分後、相手のタッチキックをクイックで投入。ルースからパスを受けたルルーが自陣10m付近から相手ディフェンス数人をスピード&ステップで抜き去ってトライ(ゴール成功で21-0)。さらにその2分後、自陣22m付近から左へ展開。外に開いていたNo.8アダム・トムソンがロングゲインをしたあと、WTBハヴィリ リチャードアファに絶妙のラストパス。リチャードアファが左隅に飛び込み、何と前半20分で28点差をつけた。
5トライ5ゴール1PGで前半を折り返す
今までとは別人のように生き生きとしていたこの日のイーグルス。前半28分、ハーフウェイ付近のラックから右に展開されて初トライを奪われた(28-7)が、いつものように崩れない。その4分後の32分、NECのハイパントをルルーがハーフウェイ付近でキャッチ。ルルーからのパスを受けたCTBティム・ベネットがそのまま走り抜きチーム5本目となるトライをゲット(ゴール成功で35-7)。41分にはルースが右45度・30mのPGを決めて38-7で前半を折り返した。
後半
後半の入りは今一つ。先にトライを奪われる
後半も先にトライを奪い、NECの戦意を喪失させて勝ち点5を確実なものにしたかったイーグルスだが、攻め込んではミスが出るといういつもの悪い癖が出始める。一方のNECも、“猛反撃に出る”という姿勢は見られなかったのだが、イーグルスがミスを重ねているうちに次第に流れはNECに。そんな中で迎えた後半25分、自陣ゴール前のラックから左に回され、あっさりトライを奪われる(ゴール成功で38-14)。
必死の守りで勝ち点5をゲット
ようやく目が覚めたイーグルスもここから反撃。後半30分、敵陣22m付近でラインに回ったボールを、ルースがディフェンスの背後にショートパント。すこし球足が長すぎたように見えたが、後半26分からベネットに代わってCTBに入っていた野口裕也が素晴らしいスピードでボールに追いつきインゴールで抑えてトライ(ゴール成功で45-14)。しかしその直後、キックオフのボールをキャッチされ、そのまま走られてトライを奪われ(ゴール成功で45-21)、再びトライの差は3に。その直後にもラインブレイクされ、あわやというところまでボールを運ばれたが、ルルーの必死のディフェンスでゴールラインを死守。このプレーでルルーはイエローカードをもらってしまうが、残り時間(約7分)を14人で守り切って勝ち点5をゲットした。楽勝のようだが、最後はひやひやさせられたこの日のゲーム。次はスカッとした試合を期待したい。
次戦は、12月24日(土)、2週続けての秩父宮ラグビー場での試合になります。相手は、クボタスピアーズ。クボタは、今季5勝6敗1分、勝ち点24と、イーグルス(5勝7敗、勝ち点25)とは激しい順位争いを繰り広げています。絶対に負けられない戦い。ぜひ会場へ足をお運びいただき、熱い応援をよろしくお願いいたします。
●キレキレのランで相手ディフェンス翻弄。自らも2トライをあげたFBウィリー・ルルー

今日は良いできでした。マン・オブ・ザ・マッチがもらえるかなと思いましたが、選考委員の基準とは違っていたんでしょうね(笑)。冗談はともかく、今日は私も、チームもいいプレーができたと思います。一番良かったのは、FWがセットピースを含めいいボールを出してくれたこと。FWのおかげで何度もこっちに流れが来ましたからね。また、BKも良くコミュニケーションが取れていたと思います。後半33分でシンビンを受けてしまいましたが、あれはギリギリのプレー。反則するのはいけないことだと思いますが、必死に止めに行ったので仕方がなかったと思っています。
●久しぶりの先発出場。得意のキックで15得点を稼いだSOジャン・クロード・ルース

8本蹴って外れたのは1本。キックはなかなか良かったと思います。試合の方も、前半はほぼプラン通り。やることを決めて、その通りにできたのが勝利につながったのだと思います。全員のコミュニケーションも良く取れていました。ルルーとのコンビネーションも上手くいきました。彼とは同じ国(南アフリカ)の出身ということもあって、ラグビーについての考え方が似ているので、いい意味でお互いにカバーしあえる。これからも2人でチームを盛り上げていきたいです。
●復帰初戦で存在感を示したCTBティム・ベネット

2カ月ぶりにチームのみんなとプレーできることをすごく楽しみにしていました。久しぶりだったけど、スムーズにゲームに入っていけてホッとしています。今日はナイスゲームで、特に前半の素晴らしい試合運びで、我々の持っている力を証明できたと思います。途中交替は予定通りの行動、全然問題ないですよ。次の試合もいいパフォーマンスが発揮できるように頑張ります。
●この日もLOで先発出場し、チームを盛り上げたベテラン菊谷崇

今日はうちが良かったというよりも、相手の調子が上がっていなかったのではないかと思います。午前中のキックオフというのが響いたのかも知れませんね。もともとブレイクダウンでファイトしてくるチームではなく、外に人数をかけてくるチームなんですが、今日は外の人数が少なかったです。僕自身は最初から飛ばしました。ハーフタイムで日高(駿/LO)に、「何分からいく?」と聞いたら、「10分(後半)から行きます」と言ってくれたんで、それまでは頑張ろうと(笑)。それにしても今日勝てたのは大きい。来週直接当たるクボタさんが昨日勝って5勝、勝ち点を24まで伸ばしていたのを知っていましたから。来週も、さらに順位を上げるためにも絶対に勝ちたいと思います。
●好ディフェンス&今季初トライを挙げたCTB三友良平

今日は、タテに突っ込んでスペースができたところでヨコに振るというラグビーができました。そういうラグビーができたのも、FWがいいボールを出してくれたおかげ。生きたボールが多かったのでBKも動きやすかったです。久々の深谷ライン(三友が深谷高出身で、途中出場のCTB野口裕也が正智深谷出身)も楽しめました。「同じ年のライバルのトライはとてもうれしかった」と野口に伝えておいてください(笑)。残りは3試合、気を引き締めて、目の前の試合を一つ一つしっかり戦っていきたいと思います。
●インパクトあるプレーを見せ、イーグルス入団後公式戦初トライをマークしたCTB野口裕也

トライのプレーは、裏に蹴るというサインが出ていたので思いっ切り走りました。キックがちょっと長めだったし、ディフェンスもそれなりにいたので、僕の足では追いつけないだろうと思っていたのですが、うまい具合に手にスッポリ。本当にラッキーでした。これまでSOで出場のチャンスをもらうことが多かったのですが、もともとのポジションはCTB。慣れ親しんだポジションだったせいか、体の動きも良かったような気がします。