MATCH試合
2025.05.10 sat 第18節

TIME
イーグルス
ハイライト
試合概要
キックオフ日時 | 2025.05.10 (土) 13:00 |
---|---|
試合会場 | 秩父宮ラグビー場 |
所在地 | 東京都 |
天候 | くもり/微風 |
ピッチ状態 | やや悪い |
入場者数 | 10,290人 |
プレイヤーオブザマッチ | BL東京(10)リッチー・モウンガ |
試合記録
横浜E |
BL東京 |
|||
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28 | 14 | 前半 | 21 | 49 |
14 | 後半 | 28 |
前半 | 後半 |
---|---|
2 | 2 |
2 | 2 |
0 | 0 |
0 | 0 |
0 | 0 |
計 | 計 | |
---|---|---|
4 | T | 7 |
4 | G | 7 |
0 | PT | 0 |
0 | PG | 0 |
0 | DG | 0 |
前半 | 後半 |
---|---|
3 | 4 |
3 | 4 |
0 | 0 |
0 | 0 |
0 | 0 |
メンバー
選手名 | No. | POS. | No. | 選手名 |
---|---|---|---|---|
岡部崇人 | 1 | PR | 1 | 木村 星南 |
中村駿太 | 2 | HO | 2 | 原田 衛 |
祝原涼介 | 3 | PR | 3 | タウファ ・ラトゥ |
リアキマタギ・モリ | 4 | LO | 4 | ジェイコブ ・ピアス |
マシュー・フィリップ | 5 | LO | 5 | ワーナー ・ディアンズ |
ビリー・ハーモン | 6 | FL | 6 | シャノン ・フリゼル |
嶋田直人 | 7 | FL | 7 | 佐々木 剛 |
アマナキ・レレイ・マフィ | 8 | NO.8 | 8 | リーチ マイケル |
荒井康植 | 9 | SH | 9 | 杉山 優平 |
武藤ゆらぎ | 10 | SO | 10 | リッチー ・モウンガ |
松井千士 | 11 | WTB | 11 | 桑山 聖生 |
田村優 | 12 | CTB | 12 | ロブ ・トンプソン |
ジェシー・クリエル | 13 | CTB | 13 | セタ ・タマニバル |
石田吉平 | 14 | WTB | 14 | 森 勇登 |
小倉順平 | 15 | FB | 15 | 豊島 翔平 |
平石颯 | 16 | R | 16 | 橋本 大吾 |
南友紀 | 17 | R | 17 | 眞壁 照男 |
松岡将大 | 18 | R | 18 | 小鍜治 悠太 |
シオエリ・ヴァカラヒ | 19 | R | 19 | アニセ サムエラ |
古川聖人 | 20 | R | 20 | 伊藤 鐘平 |
土永旭 | 21 | R | 21 | 小川 高廣 |
ブレンダン・オーウェン | 22 | R | 22 | 眞野 泰地 |
竹澤正祥 | 23 | R | 23 | マイケル ・コリンズ |
イーグルス、今季最終戦で東芝ブレイブルーパス東京に28-49で敗れ8位でシーズンを終える



横浜キヤノンイーグルスの一年の集大成を見せるべき日がやって来た。
5月10日(土)のジャパンラグビー リーグワン第18節、開幕戦以来の顔合わせとなる東芝ブレイブルーパス東京との一戦は、イーグルスの今シーズン最終戦となった。
前節の敗戦によりプレーオフトーナメントへの進出は潰えたものの、この試合をもって引退するFL嶋田直人らチームを去る関係者をいい形で送り出すべく、イーグルスはチーム一丸となって戦いに臨んだ。

東京・秩父宮ラグビー場には10,290人の観客が集い、昨シーズン王者との決戦を見守った。
■前半
いきなり21点差を追う形に…だがWTB松井千士のトライを機に反撃



前半、イーグルスは序盤から相手に主導権を握られ、9分、17分、27分と3連続トライを許して0-21と一気に突き放される。
是が非でも勝利が欲しいイーグルスにとっては苦しい試合展開となるが、前半終盤からようやく反撃に転じ始める。
32分、相手がタッチに蹴り出したボールを、途中出場のWTB竹澤正祥がクイックスローイン。アタックの起点にすると、FB小倉順平、HO中村駿太とパスをつなぎ、右サイドでラストパスを受けたWTB松井千士が持ち前の鋭いランで相手のタックルをかわし切ってトライ。この試合はCTBで出場した田村優のゴールも成功し、まずは7-21とする。
前半終了間際にCTB田村優がトライを決め7点ビハインドにして後半へ


さらに37分、敵陣5mラインでのマイボールスクラムからNO.8アマナキ・レレイ・マフィがサイドアタックを仕掛けて前進し、SH荒井康植にパス。そこからCTB田村にパスが渡り、トライ。
スコアは14-21となり、21点差から7点差に詰め寄ったところで前半終了を迎える。
■後半
相手に再び連続トライを許すもCTBジェシー・クリエルのトライで再反撃


今シーズン最後の40分間に入り、さらなるトライの追加を目指したイーグルスだったが、後半開始早々の3分と13分に相手に連続トライを決められ、14-35と再び点差を広げられる。
21分にはFL古川聖人との交代でピッチを後にしたFL嶋田にスタンドから万雷の拍手が送られ、何としても勝利を届けたいイーグルスは31分、敵陣ゴール前での相手のペナルティからタップでプレーを再開。そこからCTBブレンダン・オーウェン、SO武藤ゆらぎ、FB小倉と素早くパスをつなぎ、最後はCTBジェシー・クリエルがトライ。21-35とする。
WTB松井千士が2トライ目を決めるが逆転勝利には至らず


34分には相手に1トライを追加されたものの(21-42)、直後の36分、相手が処理を誤りボールが転々とした瞬間を見逃さなかったWTB松井千士がこの試合2トライ目を決めて、28-42とする。
だが、41分には相手のトライで28-49とされ、そのままノーサイドを迎えた。
なお、アーリーエントリー制度で今年2月に選手登録され、公式戦では初めてリザーブ入りしていたSH土永旭が後半14分から途中出場。リーグワン公式戦デビューを果たし、イーグルスでのキャリアの第一歩を踏み出した。

そして11シーズンもの長きにわたりイーグルス一筋で戦い抜いた元キャプテンで、最後もゲームキャプテンとしてキャリアを終えたFL嶋田は、試合後の胴上げで3回宙を舞った。勝利はならなかったものの、イーグルスの一時代を築いた功労者はチーム全員に「勝ち顔」で送り出された。


6勝12敗、8位という不本意な結果でシーズンを終えたイーグルスだが、来季はこの悔しさを忘れることなく再出発する。次こそ飛躍のシーズンに──そんな決意を胸に、イーグルスは悲願の初優勝に向けてあらためてチャレンジする。


<監督・選手インタビュー>
■沢木敬介監督


今シーズンは思うような結果が得られませんでした。FL嶋田の引退試合でしたから、勝ってみんなで送り出そうとしていましたが望んだ結果にならず、すごく残念です。今週は「イーグルスのラグビーをやろう」、「ミスを恐れずチャレンジしよう」という話をしてきましたが、やはり1年間しっかりと細部にこだわって準備しないと(チームとして)崩れるのも早いですし、勝負は本当に細かいところで決まるので、日頃から全員でこだわりを持ってやること、それを信じてやり抜くことが大事です。そんな環境を作れなかった責任を感じています。(公式戦デビューしたSH土永について)もちろんポテンシャルはありますが、レベルとしてはまだまだです。ただ、この環境の中でしっかり成長できれば将来が楽しみな選手になると思います。
■嶋田直人ゲームキャプテン


目標としていたところに行けず、最後の試合も負けてしまってすごく残念ですが、イーグルスらしさ、イーグルスらしいスタイルは随所に表れていました。チームメイトはみんな一生懸命で、手を抜いていた選手はいません。来季も残るメンバーはこの悔しさを晴らすために頑張り、もっといい景色の舞台に行ってくれると思うので、僕はそれを応援します。(大学時代から同期のHO庭井祐輔について)今朝「一緒に出られなくて残念だけど、楽しんでプレーして」とLINEをくれて「ずっと一緒にやってくれてありがとう」と伝えました。感謝しかありません。(以前のイーグルスは)ほとんど負けていましたが、プレーオフに進んで3位になることができ、僕自身いいキャリアを歩めました。悔しい思いもしましたが、この悔しさが今後の僕の人生の力になると思っています。 (試合前最後の)ミーティングでは「最後にイーグルスのラグビーをしよう。しんどくなった時はやはり気持ち、イーグルス愛が大事だと思う。メンバー、ライザーズ(ノンメンバー)、サポートしてくれた家族、サポーターの皆さん、そういった方々への思いを込めてプレーしよう」と伝えました。(自身の経験上)努力が必ず報われるわけではありません。でもここまでやってきた過程を振り返ると本当にがんばれたと自負しています。今後は、カテゴリーは未定ですが指導者の道へ進み、そのような悔しさを選手たちに伝えていければと思いますし、同じような思いをする選手を少なくできるようないい指導ができるようにしていきたいです。沢木監督が就任してから勝てるようになりましたが、それ以前のなかなか勝てなかった時期から応援し続けてくれているファンの方もいらっしゃるので、サポーター感謝祭(5月24日)で感謝を伝えたいと思っています。
■主に先発で出場してチームに貢献し続けチームの立て直しにも苦心したPR岡部崇人

イーグルスを支え続けてきたFL嶋田さんには感謝していますし、勝って送り出したかったです。「なぜ勝てないのか」と苦しみ続けたシーズンとなり、その「なぜ」を最後まで修正できないまま終わってしまいました。それが今後のイーグルスにとって大きな課題になるかもしれないので、今シーズンの中でそれを知ることができたのが唯一よかった点だと思います。選手の間でも何をどう変えていくか密に話し合ってきましたが、やはり(話し合いだけで解消できる)浅いレベルではなくもっと深いところから取り組んでいかないといけないと感じています。直すべき部分がわかって修正しても根本的なところまでは変えることができず、小手先だけ変えても通用しなかったと(敗因を)痛感しています。自分のパフォーマンスにも納得していないので、その点も改善していきたいです。
■ラインアウトで中心的役割を担ったほか攻守で貢献し続けたLOマシュー・フィリップ

今日の試合と同じようなイメージのシーズンとなりました。(80分間のうち)50、60分間はしっかりとプレーできた一方で、やられて意気消沈してしまう場面も多かったです。イーグルスのラグビーは速くエキサイティングで、ハイレベルなスキルとフィットネスが必要ですが、それらが不十分だと負けてしまいます。もっと信じてやり抜けばいい結果が得られたのではないでしょうか。それでもイーグルスでのプレーは非常に楽しかったですし、ハードなトレーニングをし続けたことで自分自身も成長できたと感じています。沢木監督の指導によってさらに自分のレベルを押し上げることができました。そしてキャリアでも一番と言えるほど素晴らしいファンに恵まれました。感謝しています。
■本職の10番から12番にコンバートして今季最終戦を戦ったCTB田村優

(負傷者が相次ぐなど)イレギュラーなシーズンでした。今日も本当は10番(SO)がやりたかったのですが、12番の選手がケガでいなくなり(自身のインサイドCTBでの先発は)緊急策をとることになりました。それでも「チームのためなら何でもやる」という思いでした。最初からハードにプレーしたものの、相手のプレッシャーを受け続けてしまいました。結果は悔しいですが、終わってしまったことなので次に向かうしかありません。FL嶋田直人には試合前最後のミーティングで目が合い、まんまと泣かされました。ずっと一緒にやってきたのでいい形で送り出したかったのですが、これもラグビーかなと思います。(SO武藤ゆらぎとの同時先発は)成長を間近で見られたので楽しかったですし、いつか彼が日本代表でプレーする姿を見てみたいです。僕自身は来季もラグビーを続けます。
■後半14分から途中出場してリーグワン公式戦デビューを果たしたSH土永旭

僕はこれまで「楽しむ」ことをモットーにしてきたので、今日も試合を楽しめたという感覚はあります。イーグルスに入って3ヶ月、いろいろな方から多くのことを吸収してきましたが、やはり大学時代と比べると競争は激しいです。そういう状況で(イーグルスで公式戦の)ファーストキャップを取れたことはステップアップにつながりますし、こういうレベルの試合をすることが自分の成長、学びになります。今日もプレー中の判断など細かい部分を学ぶことができ、武器であるキックなど通用するプレーもありました。こうしてスタートラインに立てたことを意識して今後もさらに成長していきたいですし、もっとチームにコミットできるようにしていきたいと考えています。