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選手インタビュー

2020年12月16日 | WTB/FB 橋野皓介選手 インタビュー

「今季のキヤノンは今までと違う。そう感じてもらえる試合をしたい」

11年目のシーズンを迎えたWTB/FB橋野皓介、33歳。長年キヤノンイーグルス、そして男子セブンズ日本代表を支え続けてきた、経験豊富なバックスリーだ。

慣れ親しんだセブンズの舞台から去った今季は15人制に専念することとなる。つまり、シーズンを通してイーグルスでのプレーに徹する決断を下した。得意としてきたFBに加えWTBという新たなポジションでの挑戦を始めるなど、橋野はこれまでのラグビーキャリアの中でもとりわけ大きな転機を迎えている。

長くイーグルスに身を置いている橋野から見ても、今季のイーグルスは大きく変化しているという。何が変わり、どのようなチームになったと橋野は感じているのだろうか。そしてその中で橋野に求められている役割とは。新シーズンに懸ける思いを聞いた。
(取材日:2020年12月3日)


■失うものは何もない。チャレンジあるのみ

──トップリーグ開幕が迫ってきました。日々どのような心境で過ごされていますか?

「キヤノンイーグルスは監督、コーチ含めがらりと変わりました。新生イーグルスとなった今季、どれだけ通用するのか非常に楽しみです。2018-2019シーズンは12位に終わりましたので、失うものは何もありません。チャレンジあるのみだと思っています」

──今季のイーグルスはどのような点が変化していますか?

「ずっとセブンズに参戦していてイーグルスにあまり帯同できなかったので比較は難しいのですが、それでも選手の意識が変わったと感じています。強いプレッシャーの中で練習できていることで、『意識を変えないといけない』と一人一人が感じるようになった、そんな効果が生まれていると思います」

──強いプレッシャーとは?

「練習中は、フィジカル面はもちろんメンタル面のプレッシャーがかかります。監督からのプレッシャーもすごく強いです。もちろん疲労は溜まりますが毎日充実していますし、一つ一つのプレーにしっかり集中するようになりました。チームとして一つのミスに対してそこまで厳しくなかったのが、今はとても厳しくなっています。そういう緊張感もある中で練習できています」

──ハードな練習を重ねている今、橋野選手自身の現在のコンディションやモチベーションはいかがでしょうか?

「久々の15人制の公式戦を迎えようとしていますので、やはり『試合に出たい』という思いが強いです。また、ここ1年ぐらいファンの前でプレーできていませんので、ぜひお客さんが見ている中でプレーしたいという気持ちがあります。そういう意味でも開幕が楽しみです」

──やはりファンの目の前でプレーできることは大きいですか?

「そうですね。出場した練習試合はいずれも無観客でしたし、やはりお客さんが入っている状況とは全然違います。声援のある中でプレーしたいですし、その方が断然楽しいですからね」

──久しぶりに15人制に専念するシーズンとなります。トレーニング方法等、何か変えたことはありますか?

「年齢やコンディションのこともあるので、例えば体重を一気に増やすことはできませんし、体の面については特に何も変えていません。それよりもマインドですね。ラグビーが7人制からガラッと変わるので、まずはラグビーについて勉強するところからやっています」

──ラグビー自体を学び直している、ということでしょうか?

「それもありますが、チームメイトのプレーのクセを把握することにも注力しています。この選手は右足のステップの方が得意だな、とか、この選手は右パスの時は一人飛ばしてくるのか、といった本当に細かいクセを映像などから学んでいます」

──今季就任した沢木敬介新監督の指導についてはどのように感じていますか?

「練習では選手に対して意図的にプレッシャーを与えてくれています。やはりそうすることでプレーの質が上がりますし、選手は当然プレーの質を上げていかないといけませんので、とてもいい環境下で練習できていると思います。沢木さんはBK出身ですから、ユニット練習はFWよりもBKの方をよく見てくれますので、僕らもプレッシャーがあります。監督に見られているだけで『自分を律しないといけない』と思うようになりましたし、そういう緊張感が全員から伝わってきます。それが成長につながっていると思いますし、僕に限らず成長を実感している選手は多いはずです」

■勝利の喜びがなければしんどい練習はできない

──11月28日の練習試合でサントリーサンゴリアスに43-35で勝利したことは大きな成果と言えるのではないでしょうか。

「率直に『イーグルスのFWはこんなに強かったのか』と感じました。モールでトライを獲りましたし、常にFWが前に出ていたので、BKとしてはすごくやりやすかったです。また、この試合で敵陣22mラインに入った際はほぼ得点につなげることができました。敵陣に入ってもスコアし切れないことがイーグルスの課題だとずっと言われてきましたが、獲り切るための練習をずっとやってきた結果、やっと実ったと思えた試合でした」

──チームとしても久しぶりに喜びを分かち合えた瞬間だったのではないでしょうか。

「そうですね。沢木さんは『勝った時に喜べないチームはだめだ』と言っていました。勝利の喜びがなかったらしんどい練習はできませんので、勝った時はまたサントリー戦後のようにみんなで喜びたいですね」

──そんなイーグルスの中で橋野選手に求められる役割は何だとお考えですか?

「今季はこれまであまり経験のないWTBをやっていますので、ポジショニング、ディフェンス、BKラインを動かすことなど、とにかく勉強している真っ最中です。もちろんFBの練習もしていますので、WTBで出てもFBで出てもしっかりプレーできるように準備しているところです」

──WTBとしては、どのような役割を求められていると考えていますか?

「アタックに関しては、やはり相手の裏のスペースを常に見ることができるのがWTBだと思っていますので、常に裏を狙いつつ空いていればそこにボールを出すよう要求する、といったことですね。ディフェンスについては、特に自分が右WTBだった場合、相手の左WTBには外国人プレイヤーなどサイズのある選手が入ることが多いので、そういう選手をしっかり止められるようにしたいと考えています」

──ポジション以外でも求められる橋野選手ならではの役割もありそうですね。

「すっかりベテランになり、チームでは3番目の年長者になりました。イーグルスは若い選手からベテランまで世代が幅広いのですが、その中間層の選手があまり多くはいません。そこに僕が入ることで、みんなで一つになろうとすることの手助けをしたいと思っています。例えば若手の選手が『俺、もう無理だ』と気落ちしていると感じたら一声かけてモチベーションを上げてあげる、そんな選手でいたいですね」

──実際、若い選手に助言する機会は多いのでしょうか?

「WTBに関してはアドバイスできるような立場ではないのですが、一つ一つのプレーの本当に細かい部分についてアドバイスすることはあります」

──そんなチームマンの橋野選手ではありますが、個人的に今季目指していることがあればお聞かせください。

「やはりトライを獲りたいです。トライを獲ることこそがバックスリーの仕事ですし、そうすることでチームに貢献したいと思っています。また、チームとしてはトップ4のチームを2つ食うことをぜひ達成したいです」

──特にトライを獲り切るという面では、これまでのセブンズでの実績や経験が活きてくると考えていますか?

「そうですね。相手は15人で守っていますので、1人で15人抜くことはホセア(・サウマキ)でもない限り無理です。だからこそ周りの選手の特徴を知り、いいところにフォローしたりスペースをうまく使うなどして最終的にトライを獲る、という獲り方になってきます。ぜひそういう形でトライを重ねていきたいです。特にWTBやFBの選手は試合の序盤でトライを獲れば気持ちが高揚しその試合はずっと調子がよくなります。当然、チームにとってもバックスリーのトライはいい影響を与えるものだと思っていますので、トライでチームに貢献したいと思っています」

■お客さんが喜び期待を抱かせるようなシーズンに

──11月にインタビューさせていただいた男子SDS(セブンズ・デベロップメント・スコッド)の松井千士選手と中川和真選手は、セブンズの大先輩でもある橋野選手を慕っているそうです。彼らの存在についてどう感じていますか?

「松井がイーグルスに移籍してくることは全然知りませんでした。あいつはそういう水臭い一面もあるのですが(笑)、高校(大阪工大高。現常翔学園高)、大学(同志社大)ともに後輩で社会人でも一緒になるなんて、なかなかないことですから、イーグルスに来てくれたことをうれしく思っています。中川もセブンズでずっと一緒にやってきた仲間です。人懐っこい性格なので、歳は離れていますがよく話をしています。2人にはぜひセブンズでがんばってほしいと思っています」

──他にも仲のいい選手はいますか?

「年齢が近く、ずっと一緒にプレーしている三友(良平)さんです。ここまで長く一緒にプレーしている選手は他にいません。あとは1歳下の金子(大介)とも仲よくしています。やはり気心の知れた仲間といる時は落ち着きますね」

──そんな大事な仲間たちと共闘する今季、あらためてイーグルスはどのようなチームになった、もしくはなってほしいと感じていますか?

「沢木さんが監督に、また佐々木隆道さんがFWコーチになり、安井や松井などほかのチームでプレーしていた選手が移籍してくるなど大きな変化がありました。そんな今季は、見ているファンのみなさんに『お! 今季のキヤノンは今までと違うな』と感じてもらえるような試合をしたいと思っています。今までは歯が立たなかった相手に勝って、お客さんが喜び期待を抱かせるようなシーズンにしたいですね」

──すでにそうなりそうな感触があるわけですね。

「はい。プレシーズンマッチでそう感じています。ただ、まだ1回サントリーに勝っただけですし、まだまだ開幕前に試合が控えていますので、まずはその中でどんどん自信をつけていきたいです」

──チームへの貢献が大前提ではありますが、個人として最多トライゲッターのタイトルには興味がありますか?

「15人制に専念するシーズン自体が久しぶりなのでトライランキングに絡んだことはないのですが、今季はぜひトライを重ねていきたいと思っています」


若手に助言も送ることもあるという経験豊富なベテランではあるが、今季のイーグルスと自身の展望を語るその表情からは、まるでルーキーのような新鮮な気持ちとモチベーションの高さをうかがうことができた。

心機一転、15人制で戦い抜く覚悟を決めた橋野にとって新たな一歩となる今季、トライを獲ってインゴールでフィフティーンと喜びを分かち合う彼の姿が何度も見られるよう期待せずにはいられない。

(インタビュー&構成:齋藤 龍太郎)

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