MATCH試合
2016.09.16 fri 9月16日(金)
イーグルス
TIME
試合概要
キックオフ日時 | 2016.09.16 (金) 19:30 |
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試合会場 | 秩父宮ラグビー場 |
所在地 | 東京都 |
試合記録
横浜E |
リコー |
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20 | 13 | 前半 | 8 | 25 |
7 | 後半 | 17 |
前半 | 後半 |
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1 | 1 |
1 | 1 |
0 | 0 |
2 | 0 |
0 | 0 |
計 | 計 | |
---|---|---|
2 | T | 3 |
2 | G | 2 |
0 | PT | 0 |
2 | PG | 2 |
0 | DG | 0 |
前半 | 後半 |
---|---|
1 | 2 |
0 | 2 |
0 | 0 |
1 | 1 |
0 | 0 |
メンバー
選手名 | No. | POS. | No. | 選手名 |
---|---|---|---|---|
東恩納寛太 | 1 | PR | 1 | 藤原丈宏 |
庭井祐輔(キャプテン) | 2 | HO | 2 | 森雄基 |
山路泰生 | 3 | PR | 3 | アレックス・ウォントン |
アニセサムエラ | 4 | LO | 4 | 馬渕武史 |
宇佐美和彦 | 5 | LO | 5 | マイケル・ブロードハースト |
植松宗之(バイスキャプテン) | 6 | FL | 6 | 柳川大樹 |
嶋田直人 | 7 | FL | 7 | 武者大輔 |
アダム・トムソン | 8 | NO.8 | 8 | 松橋周平 |
天野寿紀 | 9 | SH | 9 | 山本昌太 |
野口裕也 | 10 | SO | 10 | タマティ・エリソン |
森谷直貴 | 11 | WTB | 11 | 高平拓弥 |
三友良平 | 12 | CTB | 12 | 濱野大輔 |
ティム・ベネット(バイスキャプテン) | 13 | CTB | 13 | 松本悠介 |
マイケル・ボンド | 14 | WTB | 14 | 小松大祐 |
ウィリー・ルルー | 15 | FB | 15 | ピータースダニエル |
清水新也 | 16 | R | 16 | マウジョシュア |
菅原崇聖 | 17 | R | 17 | 眞壁貴男 |
レイルアマーフィー | 18 | R | 18 | 大川創太郎 |
菊谷崇 | 19 | R | 19 | コリン・ボーク |
杉永亮太 | 20 | R | 20 | ロトアヘアポヒヴァ大和 |
髙城良太 | 21 | R | 21 | 中村正寿 |
ジャン・クロード・ルース | 22 | R | 22 | アマナキ・ロトアヘア |
上原哲 | 23 | R | 23 | 長谷川元氣 |
リコーが勝ったというよりもキヤノンが負けた試合 “絶対に負けられない試合”を落とす
お互いが、「絶対に負けられない試合」と公言して憚らない「キヤノンイーグルスvsリコーブラックラムズ(以下リコー)」。 “赤か黒か” 。試合とは別に、「オリジナルフード対決」、両社社員代表による「ハイパントキャッチ対決」なども行われたこの日。金曜日の夜、午後7時半にキックオフを迎えた秩父宮ラグビー場には、8,200人を超える観客が詰めかけた。
前半序盤はイーグルスペース。この日、プレースキッカーを務めたCTB三友良平の右足が冴え、前半7分までに6点を奪取。一度は逆転を許したが、前半30分過ぎから猛攻。得意のスクラムを武器に攻め続け、最後はSH天野寿紀が飛び込んで再び逆転した(13-8)。
後半も開始早々にチャンスをつかみ、2分にFL嶋田直人がトライ(ゴール成功で20-8)。しかし、この日は点を取った後のプレーがピリッとせず、「取ったら取られる」の繰り返し。ディフェンスにもいつものような粘りがなく、自陣に攻め込まれるたびに得点を許し、後半18分、34分にはいずれもFWプレーヤーにラックサイドを割られてトライを奪われた。5点差を追う終了間際、逆転を狙って約8分間攻め続けたが、結局ゴールラインを割ることができず、1年ぶりのライバル対決を制することはできなかった。
前半
PG2つで6点を先制するも、すぐに逆転を許す
イーグルスのキックオフでスタート。SO野口裕也が短めに蹴り込んだボールをリコーがいきなりノックオン。このファーストスクラムをイーグルスFWがグイッと押し込み、リコーFWのコラプシングを誘発する。ゴール正面、32mのPGを三友が難なく決めてイーグルスが先制点を奪った。さらにその5分後、ハーフウェイ付近で得たPKも三友がしっかり決めて6-0に。しかし、その直後、リコーキックオフのボールを一度はキープしたものの、パスが乱れてターンオーバーされてしまい、ディフェンスラインが整っていないところを突かれてトライを奪われる(ゴール失敗で6-5)。
さらに13分には、自陣10mのマイボールラインアウトでのミスから自陣深くに攻め込まれ、防戦一方に。「監督からは、『反則はするな。相手にボールを出させてしっかり守れ』と言われていた」(天野)にもかかわらず、ゴール前で痛恨のオーバーザトップ。PGを決められ(6-8)、逆転を許す。
得意のスクラムでリコーを粉砕。前半リードで折り返す
しかし、このプレーで目が覚めたのか、20分過ぎからはイーグルスが反撃を仕掛け、LOアニセ サムエラを中心としたFW陣の突進でリコーをゴール前にくぎ付けに。しかし、リコーディフェンスの驚異の粘りにあいその壁を破れず。一度はチャンスを逃したものの、30分過ぎから再び猛攻を繰り返す。リコー陣ゴール正面の10mで得たPKはショットを狙わずスクラムを選択。イーグルスの今季の最大の強みを生かした攻撃でリコーFWを粉砕し、2度のペナルティーを奪ったあとの3度目のスクラム(この時のスクラムもリコーはコラプシングを犯していた)から出たボールがNo.8アダム・トムソンから天野に渡り、天野がポスト右横に飛び込んだ(ゴール成功で13-8)。
後半
後半開始直後のトライでリズムに乗ると思われたが…
後半もイーグルスが速攻。開始直後、リコー陣15mのリコーボールのラインアウトをトムソンがスチール。ラックから出たボールが天野→嶋田と渡り、嶋田がインゴールに走り込んで中央にトライ。ゴールも決まって20-8とした。抜群のタイミングでギャップを突いた嶋田のプレーが生んだトライだったが、それを見逃さずに矢のようなパスを投げた天野のプレーも実に見事だった。
このプレーで、完全なイーグルスペースになった。イーグルスファンの誰もがそう思ったはず。しかし、その直後に点差を詰められる。キックオフ後のプレーが、自陣27mからのリコーボールのラインアウトになったが、ここからのリコーの攻撃で反則を犯してあっさり3点を返される。「取ったけど、取られる」。リードはしているものの、なかなか流れをつかむことができないイーグルスに、不安を覚えるファンも多かったはずだ。
18分、その不安が現実のものとなる。起点は再びリコーボールのラインアウト。自陣22mからタテ攻撃を仕掛けられ、最後は相手FLに左中間に飛び込まれる(ゴール成功で20-18)。
その後、イーグルスが逆襲。25分過ぎからリコー陣深くに攻め込み、FBウィリー・ルルーの好判断で右に大きく展開し、WTBマイケル・ボンドが右隅に飛び込んだが、その前のパスを受けたLO菊谷崇のプレーがノックオンと判断されノートライ。28分には、再びリコー陣でフェーズを重ねたが、リコーの粘り強いタックルの前に得点を奪うことができなかった。
最後は猛攻を仕掛けるも、リコーの固いディフェンスに屈す
攻め込んでも得点を奪えないイーグルスに対し、リコーは再びワンチャンスをものにする。32分、イーグルス陣10m付近のリコーボールスクラムからリコーのWTBに左サイドを駆け上がられ、外→内の連続攻撃でポスト右側に飛び込まれる。ゴールも決められついに逆転を許してしまった(20-25)。 その後、イーグルスも反撃。ホーンが鳴るまでの4分間、さらにホーンが鳴ってからの4分間、計8分間、リコー陣で攻めまくったが、ついにゴールを割ることができなかった。 負けられない相手との戦いに敗れたこと。内容では決して負けていなかったのに試合を落としたこと。イーグルスにとっては、ただの一敗では片づけられない敗戦となった。 とは言え、リーグ戦はまだ4試合が終わったばかり。この悔しさを払拭するチャンスはまだ11試合も残されていることを忘れずに、次の戦いに挑んで欲しい。
次戦は、10月2日(日)、山梨県甲府市にある山梨中銀スタジアムでサントリーサンゴリアスと対戦します。日本代表選手が揃う好調サントリーとの試合、激しい戦いになることが予想されます。ぜひ会場へ足をお運びいただき、熱い応援をよろしくお願いいたします。
インタビュー
●随所で “らしい” プレーを披露してくれたFBウィリー・ルルー
「キヤノンのメンバーとプレーをするのは久しぶりでしたが、コミュニケーションという部分では上手くいったと思います。チームとして残念だったのは、システム通りにプレーできず、ボールをワイドに動かすことができなかったこと。また、敵陣に入った時にきちんとチャンスをものにできなかったことです。何しろそのチャンスが私が覚えている限り5~6回はありましたから。逆に、やってはいけない時間帯に、やってはいけないミスを犯してしまいました。次の試合では、勝利をつかむためにも9番、10番、15番がしっかりゲームをコントロールしていきたいと思います。」
●今季初出場で切れのいい動きを見せていたSH天野寿紀
「久しぶりの試合ということで、最初のうちは少し硬くなった部分もありましたが、周りからの声もあったのですぐに落ち着くことができました。監督からは、『チームにエネルギーを与えられること』、『FWを上手く動かせること』、『ディフェンス力』が持ち味なんだから、そこをしっかりやれと言われて試合に臨みました。自分らしいプレーはなんとかできたんじゃないかと思いますが、負けてしまっては意味がありません。勝敗というのは紙一重だと思いますが、不必要な反則をやらないようにするとか、レフリーともっとコミュニケーションをとるなど、たくさんの課題が見つかった試合でもありました。」
●初スタメンでゲームをコントロールするも試合後は反省しきりのSO野口裕也
「何度も流れがうちに傾きかけていたにもかかわらず、それをしっかり掴むことができませんでした。逆に、流れを相手に渡してしまうようなプレーがたくさんありました。僕の判断ミスもあって、エリアを上手く取れなかったのが敗因の一つです。応援してくれた皆さんに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。今日の反省を必ず次に生かしたいと思います。」
インタビュー
永友監督
「リコーさんとの対戦ということで、激しい試合になるとは思っていましたが、予想通り、それぞれのプライドがぶつかり合うゲームになったと思います。勝敗を分けたのは、リコーさんが敵陣に入ったとき、確実に取り切っていたのに対し、キヤノンは取り切れなかったことです。うちが取り切れなかったのは、リコーさんのプレーが素晴らしかったこともありますが、そこを乗り越えられないのがキヤノンの弱さだと思います。また、不用意な反則をして自らリズムを崩してしまうという欠点が今日も出てしまいました。ただその一方で、初スタメンだった天野や野口がしっかりと働いてくれるなど、収穫もありました。次の試合ではこの悔しさを晴らせるよう、しっかり準備をしてきたいと思います。」
庭井キャプテン
「本当に勝ちたかった試合だったんですが…。ゴールを背にした時、リコーさんが反則をせずに終わっていたのに対し、うちは反則を犯してしまいました。その積み重ねが点数になり、キヤノンの負けにつながったということです。リコーさんが勝ったというより、キヤノンが負けたという感じの試合でした。本当に悔しい気持ちでいっぱいです。」