イーグルス、神戸SからCTB梶村のハットトリックを含む8トライ! 55-21で圧勝し勝ち点5獲得

前週のリーグワンの記念すべき開幕戦、NECグリーンロケッツ東葛との一戦で幸先よく白星スタートを切った横浜キヤノンイーグルス。1月15日(土)の第2節はホストエリアの横浜市にある日本最大規模の競技場、ラグビーワールドカップ決勝の会場にもなった日産スタジアムにコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)を迎え、初となるホストゲームを開催した。

会場周辺はグッズ販売やキッチンカーの出店など、ラグビー以外の催しも充実。第2節時点でリーグワン最多の11,233人もの観客が訪れ、連勝への期待感に包まれた最高の雰囲気の中、イーグルスSO田村優主将のキックオフで熱戦の火蓋が切られた。
なお、過去のトップリーグ公式戦の対戦成績はイーグルスの1勝8敗。昨季は10-73と大敗した強敵の神戸Sに対し、この日に向けて入念に準備してきたイーグルスは前半序盤から怒涛のアタックを見せる。
■前半
開始1分でWTB松井が最初のトライ! SH荒井も続く
前半1分、敵陣ゴール前でのマイボールスクラムからキャプテンのSO田村優が相手裏へグラバーキック。それに反応したWTB松井千士が右隅にトライを決め、まずは5-0と先制する。10分にはSO田村が再び繰り出したグラバーキックに追いついたNo.8アマナキ・レレイ・マフィがPR岡部崇人につなぎ、オフロードパスを受けたSH荒井康植がトライ。SO田村のゴールも決まり12-0とリードを広げる。


反撃されるもCTB梶村の2本のトライなどで20点差に
イーグルスの勢いは止まらない。12分には鋭いランで抜け出したCTB南橋直哉からシザーズパスを受けたCTB梶村祐介の独走トライで、スコアは19-0に。


さらに14分、FLコーバス・ファンダイクのキックが前方へ弾み、FB小倉順平がキャッチして一気にインゴールまで走り切り、トライ。26-0とここまで一気にリードを広げる。

23分には神戸Sに初のトライを許したものの、25分にはCTB梶村がこの試合2本目のトライを決め、31-7。前半終了間際の42分に神戸Sに2本目のトライを決められ点差を詰められるが、34-14とイーグルスが20点リードして前半を折り返す。


■後半
No.8マフィの力強いトライで後半早々に追加点
イーグルスのアタックは後半も冴え渡る。開始早々の3分、No.8マフィが相手ゴール前のラックから抜け出し、トライ。41-14とさらにリードを広げる。しかし14分、神戸Sに1トライを返され、スコアは41-21と再び20点差に。20分にはSO田村がPGを外すなど、ここからは追加点を奪えない我慢の時間帯が続き、41-21のまま試合終盤へと突入する。







CTB梶村のハットトリックで勝利を決定づける
いよいよ勝利が見えてきた終盤、ようやくスコアが動く。後半34分、ラックからボールを持ち出したCTB梶村がキレのあるランでトライを決め、ハットトリック(3トライ)を達成。すでにピッチを後にしていたSO田村に代わりプレースキッカーを務めていたFB小倉がゴールを決め、48-21とリードを27点に広げる。



さらに試合終了間際の39分、FLファンダイクのとどめのトライで計8トライ目をマーク、最終スコアを55-21としたイーグルスが見事リーグワン開幕2連勝を飾った。「おそらく高校以来」だというハットトリックを決めたCTB梶村がプレイヤー・オブ・ザ・マッチを受賞した。




神戸Sから公式戦2勝目を挙げただけでなく、5トライ差をつけたことで3トライ差以上で付与されるボーナスポイントを含む勝ち点5を獲得し、総勝ち点を9として3位につけたイーグルス。1月23日(日)の第3節は昨季の最後のトップリーグを制した埼玉パナソニックワイルドナイツと熊谷ラグビー場(埼玉)で対戦する。

■監督・選手インタビュー
■沢木敬介監督
今日は神戸SのFWに対しフィットネスで絶対に勝とう、前半からぶっ飛ばして(全開で)いこうというプランで臨みました。見ていた方々にも攻めるパッションが伝わっていたと思いますし、そういったラグビーはファンのみなさんにも喜んでいただけると思っています。最後はガス欠となり、試合後にロッカールームで「もっとフィットネスが必要だな」という話をしましたが、選手のマインドは少しずつ変わってきています。我々は次のステージ、上のレベルを目指して、全員でチーム力を上げられるように来週からもいい準備をし続けていきたいと考えています。
■田村優キャプテン
強い相手に対して1週間かけて準備してきたことが出せました。プランに沿って試合を進めるうちに点差がつき、それ以降はもっとスマートに試合運びできるだろうと考えていました。ただ、事前にチームとしてやろうと決めていたことをやり抜くことも大事だと考え、それを強引に推し進めた場面もありましたが、いい結果につながったのでよかったです。素晴らしいスタジアムで強い相手と対戦でき、自分たちの強さを見せられました。横浜には有力なスポーツチームがたくさんありますが、ラグビーが存在感を示す上でもいいスタートが切れたと思っています。
■力強いプレーでチームにモメンタムをもたらしたNo.8アマナキ・レレイ・マフィ
今日はありがとうございます。神戸Sが何をやってくるかわかっていました。チームとしてコネクトする(全員がつながる)ことができたと思います。監督からは「出し切ろう」と言われ、みんな一人一人がハードワークしました。個人的にもコンディションはいいですね。ずっと走ってきたのでフィットネスは充実しています。チームとしてもフィットネスを一番大事にしていて、全員がしっかり走っていました。みんなよくがんばりました。素晴らしいと思います。
■ハットトリックでプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたCTB梶村祐介
今日は走り切るゲームプランで、前半から後半のことを考えずに飛ばしていこうという話をしていました。それがスコアに表れた試合でした。自分自身、昨シーズンまでは小さくまとまってしまっていた感覚がありました。もう一度原点に戻り、自分の強みであるボールキャリーを取り戻そうと考え、フットワークの基本から見つめ直してアグレッシブにボールを前に運んできました。特に移籍してからはずっとそれに取り組んできました。今は自分の役割に集中できているのが一番大きいと思います。
■今季初トライやトライアシストで勝利に貢献したWTB松井千士
走り切るというテーマをしっかり表現できたのではないかと思います。昨季は10-73で負けた相手なので、勝ってリベンジできてよかったです。最初のトライは僕からコールを出しました。難しいシチュエーションでしたが、スキルフルな優さんであれば蹴ってくれる(キックパスを放ってくれる)と思っていました。こうした練習でやってきたプレーを試合で実行できたのではないかと思います。2023年のラグビーワールドカップのメンバーに入ることが自分の目標なので、このリーグワンでアピールして15人制日本代表に返り咲きたいです。