■見どころ

イーグルスにとって夢の対決となる今回の試合、最も大切なことはコンタクトの場面であたり負けないことでしょう。
トップリーグの試合でも大柄な外国人選手とのコンタクトの場面は数多くありますが、この試合はすべての場面で強烈なシーンが展開されるはずです。
特にブルー・ブルズが最も得意とするセットプレー、スクラム・ラインアウトの場面で、イーグルスのFWは相手に食らいつき、簡単に道をあけてしまうことのないようにする必要があります。一度こじ開けられた穴を埋めるのは容易ではありません。イーグルスの選手には体を張り相手の突進を食い止めてもらいたいものです。
ブルー・ブルズのプレーヤーは一人ひとり突破力があるので、下に入るタックルとボールを殺しに行くタックルのダブルタックルの徹底が望まれます。セットスクラムでは8人が一体となって押し込んできます。それはまさに一つの塊がブルドーザーのように動く様をイメージさせます。フロントローは誰もがビックサイズ、ロックの選手は2メートル、バックローは機動力を兼ね備えています。
誰もが注目選手ですが、キャプテンを務めるオープンサイドフランカー *1のラピース・ラブスカフニの献身的なプレーは注目です。またNO.8のアルノ・ボタ選手も将来を嘱望される選手で、ボールキャリアとして突破力に要注意です。

ブレイクダウン *2も予断を許しません。
ブルー・ブルズの選手たちは襲いかかるようにボールを奪いにくるので、イーグルスボールの時、2人目の素早いサポートプレーでボール確保に動かなくてはなりません。
ブルー・ブルズの場合、3回ボールを回し、ゲインできないとなるとキックを上げてなだれ込むという攻撃パターンが多く見られます。この時のキック処理に安定したプレーが求められます。相手のチェイスはとても素早いので、少しでももたついているとピンチになるでしょう。
この試合でSHのポジションに入るフランソワ・ホーハートはスーパーラグビーではWTBで出場していましたが、このポジションでも非凡なプレーを見せてくれるはずです。スクラムやラックでスペースを見つけると持ち前のスピートで仕掛けてきます。またディフェンスが前に詰めるとコントロールされたキックで裏を突きます。RWC出場の可能性もあるとのことで、いろいろな意味でマークしておきたい選手です。
SOは以前リコーブラックラムズに所属していたルイ・フーシェがつとめます。怪我から復帰して持ち前のロングキックでエリアコントロールしてくるでしょう。
リザーブに入るダン・クリエルはスプリングボックス *3に選出されたジェシー・クリエルの双子の弟です。彼のスピードと突破力にも要注意です。

イーグルスは安定したボールを確保し、自分たちのテンポでアタックしたいところです。
グラウンドを広く使い、バックスリー *4を走らせて相手陣内に攻め込む攻撃をしかけて欲しいものです。
不用意にキックを多用すると相手のカウンターアタックを受けることになりますので、無意味なキックを避け、確実にゲインするプレーを積み重ねたいものです。
ブルー・ブルズはスクラム、ラインアウトで真っ向勝負を仕掛けてくるでしょう。
南アのプレースタイルを熟知するアルベルト、キース(ギデオン)のコーチ陣がどんな秘策を伝授してこの試合に臨むのか興味が尽きません。
イーグルスではジャパンから戻った宇佐美が29番目の選手として緊急参戦することになりました。(※今回の試合は公式試合ではないため、キヤノンイーグルスは29名、ブルー・ブルズは27名の登録となりました。)代表キャップを4にのばした宇佐美、ジャパンでの経験を活かして、自身の進化したプレーをブルー・ブルズ戦で見せることができるか注目したいところです。

両チームとも力を出し切る試合が観戦できそうです。
- *1 オープンサイドフランカー...スクラムのときの3列目にFL(フランカー)が位置しており、タッチラインに近い方をブラインドサイド、逆に遠い方をオープンサイドと言う。
- *2 ブレイクダウン...ボールを持っている選手が相手にタックルを受けて倒された時に、双方の選手が集まってボールの奪い合うこと。
- *3 スプリングボックス...南アフリカ共和国代表チームの呼称。
- *4 バックスリー...バックスの 11(左WTB)と14右(右WTB)と15(FB)3つのポジションのこと。
■メンバー
NO | 氏名 | 出身校 | 身長 | 体重 | 年齢 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 菅原 崇聖 | 同志社大学 | 175 | 105 | 28 |
2 | 山本 貢 | 関東学院大学 | 175 | 107 | 34 |
3 | 城 彰 | 明治大学 | 176 | 114 | 27 |
4 | 日高 駿 | 明治大学 | 190 | 100 | 25 |
5 | 菊谷 崇 | 大阪体育大学 | 187 | 104 | 35 |
6 | レイルア マーフィー | 山梨学院大学 | 184 | 105 | 26 |
7 | 嶋田 直人 | 立命館大学 | 183 | 98 | 24 |
8 | Karl Lowe | Hurricanes | 181 | 104 | 30 |
9 | 福居 武 | 大阪体育大学 | 177 | 78 | 25 |
10 | 和田 拓 | 慶應義塾大学 | 176 | 84 | 26 |
11 | 原田 季郎 | 早稲田大学 | 163 | 67 | 25 |
12 | 三友 良平 | 日本大学 | 177 | 90 | 28 |
13 | Richard Havili Kaufusi★ | 花園大学 | 178 | 93 | 27 |
14 | 藤近 紘二郎 | 早稲田大学 | 180 | 81 | 23 |
15 | Michael Bond | North Brisbane RC | 179 | 92 | 27 |
16 | 庭井 祐輔 | 立命館大学 | 174 | 95 | 23 |
17 | 東恩納 寛太★ | 帝京大学 | 178 | 116 | 22 |
18 | 山路 泰生 | 神奈川大学 | 180 | 105 | 30 |
19 | 湯澤 奨平 | 成城大学 | 187 | 105 | 26 |
20 | 杉永 亮太★ | 帝京大学 | 184 | 100 | 23 |
21 | 髙城 良太 | 法政大学 | 170 | 75 | 25 |
22 | 森田 慶良 | 早稲田大学 | 176 | 80 | 25 |
23 | 菅谷 優 | 帝京大学 | 173 | 77 | 25 |
24 | 宇佐美 和彦 | 立命館大学 | 197 | 110 | 23 |
25 | 植松 宗之 | 立命館大学 | 183 | 90 | 25 |
26 | 清水 直志 | 早稲田大学 | 182 | 97 | 28 |
27 | 林 大成★ | 東海大学 | 176 | 85 | 23 |
28 | 藤本 健友 | 成蹊大学 | 181 | 93 | 25 |
29 | 落合 佑輔 | 立命館大学 | 181 | 94 | 25 |
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