2013年6月15日、キヤノンスポーツパークにNTTドコモレッドハリケーンズを招いて、今シーズン2戦目となる練習試合が行われました。
NTTドコモレッドハリケーンズ(以下ドコモ)は、昨年、キヤノンイーグルスにとって記念すべきトップリーグにおける最初の相手。2010-2011シーズンのトップチャレンジ(7-38でキヤノン敗退)以来、毎年練習試合、公式戦を通じて切磋琢磨しているチームです。
梅雨の長雨が続いていた東京地方でしたが、この日だけポッカリと雲が晴れ、30度を超す暑さの中で40分を3本行う変則の試合が行われました。キヤノンはこれまでの厳しいトレーニングで培ってきたフィットネス、また各選手のサイズアップによるフィジカルの変化を試す格好の機会となる試合です。
1本目
キヤノンイーグルスのスターティングメンバーは以下の通り。
1 | 菅原 崇聖 |
---|---|
2 | ジョシュア・マウ |
3 | 上田 聖 |
4 | 日高 駿 |
5 | 湯澤 奨平 |
6 | マーフィー・レイルア |
7 | 竹山 浩史 |
8 | 高根 修平 |
9 | 福居 武 |
10 | カラム・ブルース |
11 | 中田 慎二 |
12 | 三友 良平 |
13 | ティム・ベネット |
14 | 菅谷 優 |
15 | 田井中啓彰 |
予定通り11時にキヤノンのキックオフで試合開始。
2分、キヤノンがターンオーバーしたボールをカラム・ブルースがロングゲイン。ドコモゴール前のラックから菅原が持ち込んで先制トライ。三友がコンバージョンを決めて7-0と幸先の良いスタート。
その後もキヤノンは連携の取れたディフェンスを続け相手陣でゲームを進めるが、攻撃の中で細かいミスが多く、なかなかトライに繋げられない時間帯が続いた。
16分、ティム・ベネットのタックルでターンオーバーしたボールを左へ展開。ラインに入っていたマーフィー・レイルアが突進しそのままトライ。三友のコンバージョンも決まって14-0。
しかしこのままキヤノンペースとはいかず、ドコモの反撃は28分、キヤノン陣10m付近のスクラムから素早く展開しトライ。14-5。さらに33分にはドコモのバックス、フォワードが一体となった攻撃でキヤノン陣へ進攻。最後はキヤノンのディフェンスライン裏へ絶妙なキックをそのままトライ。コンバージョンも決まり14-12。
42分、その後も激しい攻防が続いたが、両チーム決め手なく1本目が終了する直前、キヤノンはターンオーバーしたボールをカラム・ブルースがまたもロングゲイン。フォローした新加入の菅谷がゴール右隅へトライ。コンバージョンは外れたが、結局19-12で1本目終了。
2本目
キヤノンの選手交代は以下の通り。
高根修平 | ⇒ | 鷹アストン クロフォード |
---|---|---|
福居 武 | ⇒ | 髙城 良太 |
三友 良平 | ⇒ | 阪元 弘幸 |
菅谷 優 | ⇒ | 藤本 健友 |
3分、キヤノンがキヤノン陣22mライン付近から、新加入の藤本が大きくゲインしてドコモ陣10mライン内側まで進攻。ポイントを作って左へ展開し、田井中がいい角度で走り込み相手ディフェンスを引き付け、パスを受けたティム・ベネットがゴール左隅にトライ。カラム・ブルースが難しい角度のコンバージョンを決めて26-12。
14分、キヤノンはキヤノン陣からジョシュア・マウが巨体をゆすって大きくゲイン。ポイントから出たボールをまたも田井中が持ち込み、最後は中田が左隅へトライ。コンバージョンは決まらず31-12。
20分、キヤノンは9人を入れ替えた。
菅原 崇聖 | ⇒ | 宍戸 要介 |
---|---|---|
上田 聖 | ⇒ | 山路 泰生 |
マーフィー・レイルア | ⇒ | 植松 宗之 |
日高 駿 | ⇒ | 小笠原 大樹 |
湯澤 奨平 | ⇒ | 落合 佑 |
カラム・ブルース | ⇒ | 森田 慶良 |
ティム・ベネット | ⇒ | オマール・スライマンケル |
菅谷 優 | ⇒ | 原田 季郎 |
田井中啓彰 | ⇒ | アイザイア・トエアバ |
23分、キヤノンはオマール・スライマンケルが右サイドへ大きくゲインし、新加入の森田がフォローしてトライ。コンバージョンも森田が自ら決めて38-12。
27分、ドコモ、キヤノン陣22mライン付近から、フォワードバックス一体となった攻撃を展開。キヤノンも必死のディフェンスを続けたが、ドコモがフォワード中心の攻撃でゴール中央にトライ。コンバージョンも決めて38-19。
この後、両チームの激しい攻防が続いたが、決め手がなくトライの無い時間帯が続いた。
40分、2本目終了直前、キヤノンがドコモの猛攻からもぎ取ったボールを、無人のドコモ陣深く蹴り込む。逆サイドから1番に駆け込んだのは、猛烈なスピードで走り込んだ新加入のキヤノン原田。ボールを確保し、追い付いた選手で作ったポイントから左へ展開。最後はラインに入っていた鷹アストン クロフォードがトライ。コンバージョンは決まらなかったが、5点を追加して43-19で2本目が終了。
3本目
キヤノンの選手交代は以下の通り。
ジョシュア・マウ | ⇒ | 坂下 拓也 |
---|---|---|
竹山 浩史 | ⇒ | 高根 修平 |
阪元 弘幸 | ⇒ | ロッキー・ハビリ |
髙城 良太 | ⇒ | 吉田 健 |
中田 慎二 | ⇒ | 守屋 篤 |
最後の40分。立ち上がりからドコモの激しい攻撃にキヤノンは防戦が続いたが、気合の籠った必死のディフェンスで得点を食い止めている。
12分、ドコモはキヤノン陣22mライン付近から左右に展開し、キヤノンのディフェンスをずらしてついにトライ。コンバージョンも決めて43-26と点差を縮めた。
17分、キヤノンはペースを変えて追加点が欲しい場面。ドコモ陣ゴール前5m付近のラインアウトと絶好のチャンスだったが、ボールを奪われキックされる。しかしそのボールを受けたロッキー・ハビリが、持ち前のパワーで大きく前進。相手を振り切り、結局そのままトライ。森田がコンバージョンを決め50-26。
20分、キヤノンはドコモ陣22mライン付近からボールを受けたアイザイア・トエアバが、相手ディフェンスラインのわずかな隙間を独特のステップで抜き切ってトライ。コンバージョンは決まらず、しかし55-26と点差を広げた。
21分、キヤノン選手交代
吉田 健 | ⇒ | 天野 寿紀 |
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宍戸 要介 | ⇒ | 松波 祐紀 |
最後の15分間、殆どがキヤノン陣でドコモが攻める場面が続いた。一方、気温と湿気のためか、両チーム共に動きに精彩を欠いてきた感があった。
40分、3本目終了直前のドコモ。キヤノンゴール前のスクラムから左へ展開。集まったフォワードが押し込んでトライ。コンバージョンも決めて55-33でノーサイド。ドコモ、最後にしっかり意地を見せた。
試合後の永友監督は、「厳しいコンディションでしたが、どの選手にもやろうとする意欲が高く、その点は評価できます。でもまだ精度、質の部分が足りていないですね。ここぞという場面でボールを持っていない選手の動きが不十分でした。オフサイドのプレーが多くペナルティを減らすには、もっと動く意識が必要です。チャンスで取り切れないところも課題です。『チャンスは逃さない』という意欲をもっとつけなければいけないですね。でも修正点が明確になり、それも今回ドコモさんに来ていただいたからこそで、本当に有難いと思います。この後のミニ合宿でしっかり課題を修正して、次に向けてまた頑張っていきたいと思います。」
ジョシュア・マウ選手は、「久しぶりに80分間プレーしましたが、ペースが速く、最後はフィットネスが足りなかったです。スクラムとラインアウトのセットを早くすることをテーマに上げていましたが、ミスが多かったですね。サインミス、スローイングのミスもありました。次の試合までしっかり走ります。
竹山選手は「今日は80分プレーしました。心肺機能的には全然問題なかったのですが、2本目の初めに足が攣ってしまい、その後がだめでした。筋トレでしっかり鍛え直します。ボールを持っていない時のプレーをチームのテーマにしていましたが、ターンオーバーした後の動きは結構できたので、意識は高まっていると思います。でもまだ2試合目でミスが多く、失点に繋がったところもありました。暑さの中でもしっかり練習して、ミスの無いプレーができるように菅平キャンプでしっかり走ってきます。
これで練習試合2戦2勝のキヤノンイーグルス。次回は7月6日(土)、栗田工業ラグビー部との練習試合をキヤノンスポーツパークで行う予定です。今後のキヤノンイーグルスの活躍をご期待ください。