2013年7月31日(水)、北海道キャンププレシーズンマッチ第3戦は、北見モイワスポーツワールド(北見市)で、ヤマハ発動機ジュビロ(以下ヤマハ)を相手に行われました。
ヤマハは、昨年のトップリーグ8勝5敗で6位。トップ4をも脅かすトップリーグ常連チーム。その相手にキヤノンイーグルスがどこまで戦えるか、今シーズンを占う意味でも非常に重要な試合となります。
北見地方は連日比較的穏やかな天候が続き、試合は40分×3本という形で行われました。
1本目(前半)
ヤマハの強力フォワードを軸とした攻撃に、キヤノン大苦戦
キヤノンイーグルスのスターティングメンバーは以下の通り。
No | 名前 |
---|---|
1 | 菅原 崇聖 |
2 | 金子 大介 |
3 | 城 彰 |
4 | 日高 駿 |
5 | ジャスティン・アイブス |
6 | アダム・トムソン |
7 | 植松 宗之 |
8 | ジョシュア・マウ |
9 | 福居 武 |
10 | 橋野 皓介 |
11 | 原田 季郎 |
12 | 三友 良平 |
13 | ティム・ベネット |
14 | 和田 拓 |
15 | 田井中 啓彰 |
予定通り13時にキヤノンのキックオフで試合開始。
前半3分、8分にヤマハの強力フォワードを食い止められず、2連続トライを献上し苦しい立ち上がり。
前半13分、キヤノンは、ハーフウェイ付近のフリーキックから福居がクイックスタート。フォローしたマウが、豪快なスプリントでヤマハ陣22mラインの内側まで突進。植松がフォローしトライ。コンバージョンは失敗したが、5-14と反撃体制に入った。
前半17分、キヤノンはヤマハ陣22mライン付近。ポイントから出たボールを右バックスへ展開し、最後はキャプテン和田が右サイドにトライ。難しい角度のコンバージョンを三友が決めて12-14。点差を2点差に縮めた。
このまま拮抗した試合が続くかと思われたが、ヤマハが強力フォワードを軸に、スピードのあるバックス陣による攻撃で連続5トライを奪い、結局12-49で1本目が終了した。
キヤノンは安定したスクラム、初めてNo.8を務めたマウの活躍、またアイブスを軸とした確実なキックオフの処理などいい場面もあったが、1本目の後半からヤマハのFW,BK一体となった攻撃に7トライを奪われたのが悔やまれる。
2本目(後半)
各選手が持ち味を発揮し、対等の戦い
キヤノンの選手交代は以下の通り。
菅原 崇聖 | ⇒ | 宍戸 要介 |
---|---|---|
城 彰 | ⇒ | 山路 泰生 |
ヤマハのキックオフで2本目(後半)が始まった。
何としても先制点が欲しいキヤノンだったが、5分、ヤマハがキヤノン陣ゴール前5m付近からキヤノンゴール内に絶妙なグラバーキック*を抑え込んでトライ。コンバージョンも決まり12-56。
9分、キヤノンはヤマハゴール前5mのラインアウトからモールを形成し、ヤマハのお株を奪うようなドライビングモール**で前進し宍戸がトライ。コンバージョンも決まって19-56。
ここからはトライの奪い合いが続いた。
13分にヤマハがトライを加え19-61。
16分、キヤノンはキヤノン陣22mライン付近のヤマハのラインアウトを、アイブスがインターセプト。これを金子のロングゲインなどでヤマハ陣22mライン内側まで進攻し橋野が走り込んでトライ。コンバージョンも決まりこの時点で26-61。
18分、キヤノンの選手交代は以下の通り。
三友 良平 | ⇒ | アイザイア・トエアバ |
---|---|---|
アダム・トムソン | ⇒ | 湯澤 奨平 |
福居 武 | ⇒ | 吉田 健 |
25分、ヤマハがまたもフォワードによるトライで26-68。
30分、ヤマハ陣22mライン内側で相手ペナルティからSH吉田がクイックスタート。走り込んだ絶好調マウがヤマハゴールに頭から飛び込んでトライ。コンバージョンも決まり33-68。
32分、キヤノンの選手交代
ティム・ベネット⇒オマール・スライマンケル
36分、キヤノンはヤマハ陣22mライン付近のラックから出たボールを、吉田→橋野と繋ぎ、橋野が猛烈なスピードでヤマハディフェンスのギャップを抜いてトライ。コンバージョンも成功し40-68。
40分、2本目終了直前にヤマハがバックスの速い攻撃でトライを追加し、2本目は28-26。合計の得点は40-75となった。
3本目(後半)
両チーム意地を見せ、またも拮抗した展開
キヤノンの選手交代は以下の通り。
山路 泰生 | ⇒ | 上田 聖 |
---|---|---|
金子 大介 | ⇒ | 坂下 拓也 |
ジャスティン・アイブス | ⇒ | 阪元 弘幸 |
日高 駿 | ⇒ | 小笠原 大樹 |
植松 宗之 | ⇒ | 清水 直志 |
田井中 啓彰 | ⇒ | カラム・ブルース |
ティム・ベネット | ⇒ | 守屋 篤 |
原田 季郎 | ⇒ | 菅谷 優 |
橋野 皓介 | ⇒ | オマール・スライマンケル |
和田 拓 | ⇒ | 藤本 健友 |
キヤノンのキックオフで3本目(後半)が開始。
6分、点差を詰めたいキヤノンイーグルスだったが、キヤノン陣ゴール前5mのスクラムでヤマハの認定トライ。コンバージョンも決まって40-82。
10分にもヤマハフォワードの攻撃で失点し、この時点で40-89。
いよいよ点差が広がり、キヤノンは何としてもトライが欲しい場面。
14分、ヤマハ陣ゴール前5m付近のラインアウトを小笠原がナイスキャッチ。モールで押し込み、最後は坂下がトライ。コンバージョンも決めて47-89。
21分、さらにキヤノンはヤマハ陣10mライン付近で走り込んだスライマンケルがボールを高く蹴り上げ、それを自ら取ってトライ。コンバージョンは決まらず52-89。
25分、ハーフウェイ付近、ヤマハのラインアウトをキヤノン清水がインターセプトし、ヤマハ陣22mラインの内側まで激走。ポイントからバックへ展開し、菅谷がゴール中央に回り込んでトライ。コンバージョンも決まって59-89。
キヤノンは3本連続のトライを奪い、点差も徐々に縮まってきた。
しかし、その後2本のトライを奪われ59-101となったが、40分、キヤノンはスライマンケルが大きくゲイン。バックスに展開し、最後は新人藤本がトライ。コンバージョンは決まらず、結局3本目は24-26。合計得点は64-101でノーサイドとなった。
負けは悔しいが、選手の取組みを高く評価
永友監督は、「まだ差を感じさせられたゲームでしたが、いい勉強になりました。でも通用する部分もあり、負けは本当に悔しいのですが、選手の取り組方を高く評価します。北海道キャンプでの3試合でウィークポイントがはっきりしたので、成果のある合宿ができました。開幕までに強みを伸ばし、ゲームの理解力とキヤノンのスタイルを磨きます。」
和田キャプテンは、「いい練習を積み上げてきたのですが、まだ足りないことを痛感しました。いいプレーもたくさんありましたので80分間継続することが必要で、今日の結果をプラスにできるように、開幕に向けてチーム力を上げていきたいと思います。」
HOの金子選手は、「セットプレーは良くできたと思いますが、しかし反省点も多々あった事も、良いことだと思います。個人的にはプレーは良くなっている感覚があって、求められるときにしっかりパフォーマンスできるように、開幕までの1か月間を頑張ります。」
スタメンで気を吐いた2年目の植松選手は、「アタックもディフェンスもプレッシャーが厳しく、タイトでした。最後は巻き返すこともできて、通じる部分も多くありました。課題を早く修正したいですね。個人的にはまだまだ不十分な所が多いので、町田のグラウンドに戻って頑張ります。」
ジョシュア・マウ選手は、「まだまだです。フィットネスはだいぶ上がってきましたが、シーズン前にもうちょい欲しいです。久しぶりにNo.8に入ったので、残りの1か月はNo.8の動きを練習します。頑張ります。」と、いつもながらの流ちょうな日本語で、更なるレベルアップを約束してくれました。
新人の藤本選手は、「ヤマハさんは展開が早く、やはり強いですね。当たっても簡単に倒れないので、低いタックルを意識しました。でも15人全員がもっと体を張れば、十分戦えると感じました。いい経験ができてシーズンに向けて新しいターゲットが見えたので、改めて体を作ります。」
次回は8月10日(土)、東京ガスとの練習試合をキヤノンスポーツパークで行う予定です。今後もキヤノンイーグルスの活躍にご期待ください。
- 試合に関する詳細情報は、下記キヤノンイーグルス公式サイトよりご確認ください。
キヤノンイーグルス試合情報一覧 2013-2014シーズン
- * グラバーキック:ゴロのキック
- **ドライビングモール:両チーム3人以上が立ったまま組み合った状態をモールと言い攻めているチームのプレーヤーが力を合わせて相手チームのディフェンスラインを崩すこと。