新生キヤノンイーグルスのプレシーズンマッチ初戦は、大雨の中での試合となった。2月22日のTL第6節での宗像サニックスブルース戦以来の対外試合ということもあり、アップ中の選手たちの表情にも少し緊張が見てとれた。
■前半
今季から攻撃的なスタイルにシフトしているイーグルスは開始早々から積極的にアタックし、WTBホセア・サウマキの突破からチャンスを迎えるが、敵陣ゴール前ラインアウトのチャンスでマイボールを継続出来ずボールを失ってしまう。その後、イーグルスのミスから逆にクボタBKにラインブレイクを許し、裏のスペースに蹴りこまれたボールに戻り切れずペナルティを与え、そのラインアウトからのモールで先制トライを許す。(0-7ゴール成功)
想定外の試合の入りに動揺したのか、イーグルスはそこから3トライをクボタに連取されてしまう。ラインアウトからのセットプレーから1本目(0-12ゴール失敗)、キック処理のミスから、キックパスでディフェンスライン裏のスペースを狙われ2本目(0-19ゴール成功)、ラインアウトモールからのサイドアタックを止められず3本目(0-24ゴール失敗)。前半20分ほどで大きなリードを奪われてしまう。
しかし、ここからイーグルスも反撃に出る。前半34分、ラインアウトから連続攻撃で最後はルーキーのFB高木一成のタップパスを受けた、FL安井龍太が相手3選手にタックルを受けながらトライ。新加入の2選手が見事なトライを演出した。(5-24ゴール失敗)
その後、再び攻め込まれるも、ゴール前のディフェンスを守り切り、5-24で前半を折り返す。
■後半
後半早々、イーグルスはペナルティからFL占部航典の速攻から敵陣に攻め込むも、降りしきる大雨でボールが手につかず得点に結びつけることが出来ない。後半5分過ぎ、メンバー総入れ替えをしてフレッシュなメンバーが投入されるが、直後のスクラムでペナルティを犯し、自陣ラインアウトからクボタBKに外に展開されトライを奪われる。(5-31ゴール成功)
その後は悪天候も影響し、お互いボールが手につかず、一進一退の攻防を繰り返す。
その流れを変えたのはイーグルス。後半25分、ペナルティからタッチを狙わずにアタックしたイーグルスは、FL田中真一のパワフルなボールキャリーでゲインラインを越え、アタックのテンポがあがったところで、最後はSH荒井康植からのパスを受けたCTB田畑凌が中央にトライ。(12-31ゴール成功)
その3分後、敵陣22mライン上のラインアウトからイーグルスFWがモールで大きくゲインラインを越える。モールからタイミング良くボールを持ち出したSH荒井康植に反応し、スペースに走り込んだCTB田畑凌が2本目のトライをマーク。(19-31ゴール成功)
試合の流れが一気にイーグルスに傾くかと思われたが、その後もチャンスをつくるもののトライは取り切れず、逆に2トライを奪われノーサイドとなった。最終スコアは19-43。
新型コロナウイルスによる中断から約8か月。選手、スタッフ、チーム関係者、そしてイーグルスサポーター、全員が待ち望んだ試合は思い描いていたような結果ではなかったが、久し振りの試合で感じた緊張感、プレーする喜び、支えてくれている人々への感謝は、新しく生まれ変わったイーグルスの原点になるものばかり。更なる高みを目指しハードワークを重ねるキヤノンイーグルスのここからの成長を見守りたい。
コメント
田村優キャプテン
良い面、悪い面、その両方が出た試合だったと思う。変わるのは自分たちなのでここからしっかり修正していく。
安昌豪選手
出場時間が短かったのでアピールすることが出来なかったが、その短い時間でもアピールをしていかなければいけない。まずスタメンで出ることができるように、自分に足りないものを見つめ直してトレーニングに励みたい。
松岡将大選手
大学とトップリーグとの強度の違いを感じたので一層フィジカルを高めて次に挑みたい。スクラムは感触が良かったので、継続してトレーニングに取り組んでいきたい。
山本雄貴選手
久しぶりの試合で緊張した。自分のパフォーマンスは良くなく、力を出し切れなかったが、これを次に繋げられるように頑張っていきたい。
高木一成選手
ボールキャリー、コンタクトの部分では通用するところもあったが、キックの処理や外の選手を生かすプレーに課題があるので修正していきたい。
今後の練習試合の予定
日時 | 対戦相手 |
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10/24(土) | 三菱重工相模原ダイナボアーズ |
10/31(土) | リコーブラックラムズ |
11/28(土) | サントリーサンゴリアス |
12/12(土) | NECグリーンロケッツ |
12/26(土) | 釜石シーウェイブスRFC |
1/2(土) | 東芝ブレイブルーパス |
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、練習試合は無観客で実施されます。SNS等を通じて、経過をお知らせいたしますので、ご声援をよろしくお願いいたします。