イーグルス、勝利が必須の神戸S戦で33-42と痛い敗戦…その後プレーオフ進出を逃す
5月1日(日)、ジャパンラグビー リーグワン ディビジョン1は大詰めの第15節を迎えた。前節終了時点で5位と、プレーオフトーナメント進出の権利が得られる4位に浮上するためには残る2試合とも絶対に負けられない横浜キヤノンイーグルスは、コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)と敵地・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場(兵庫県)で対戦した。
第2節はホストスタジアムの日産スタジアムで対戦し、イーグルスが55-21で快勝している。3トライ差以上で得られるボーナスポイントを含む勝ち点5を獲得しており、今回も同じような結果が求められる大事な一戦となった。

5,279名の観客の大半が地元の神戸Sを応援する中イーグルスファンも会場まで多数駆け付け、両チームによる真剣勝負を見届けた。

■前半
先制を許すもNo.8マフィがトライを返し同点に追いつく
まずは先制して試合を優位に進めたいイーグルスだったが、前半7分、自陣でのマイボールラインアウトの失敗を起点に神戸Sに攻められトライを許し、0-7と先制される。
しかし前半11分、すぐさま反撃に転じたイーグルスは敵陣5mラインでのマイボールラインアウトからモールで押し込むと、ボールを保持していたNo.8アマナキ・レレイ・マフィがインゴールへ飛び込んでトライ。FBエスピー・マレーのゴールも成功し、イーグルスは7-7の同点に追いつく。


WTBタカヤワのトライで再び同点に追いつくも5点差にされ後半へ
前半16分には相手に2トライ目を許し7-12と勝ち越されたものの、32分、イーグルスは敵陣5mラインでのマイボールスクラムのチャンスを得る。No.8マフィがサイドアタックを仕掛けインゴール寸前まで前進すると、ラックからSH荒井康植、SO田村優キャプテンとパスをつなぎ、右大外でSO田村のラストパスを受けたWTBヴィリアメ・タカヤワがトライ。12-12と再び同点に追いつく。


しかし前半36分に神戸Sに3トライ目を決められ、スコアは12-17に。イーグルスは5点ビハインドで前半終了を迎える。


■後半
開始早々にCTBクリエルのトライで逆転するも次第に相手の流れに
後半4分、イーグルスはスクラムで得たフリーキックを起点に攻めると、CTBジェシー・クリエルが持ち前の力強いランで相手ディフェンスを突き破り、一気にトライ。19-17と逆転に成功し、従来の勢いを取り戻したかに見えた。


しかしその後も前半と同じようにラインアウトのミスを起点に8分、14分と神戸Sに連続トライを決められると、19分にPG、24分にトライ、27分にPGを決められ19-42と一気に突き放される。




FLハラシリの連続トライで9点差もFB小倉のPGは外れ勝ち点を得られず
それでもイーグルスは後半から出場のFLシオネ・ハラシリが強靭なフィジカルを活かして31分、36分と連続トライを決め、33-42と9点差に迫る。


時間の経過とともに逆転の可能性が潰えると、44分には7点差以内の敗戦で得られるボーナスポイントの獲得を目指して途中出場のFB小倉順平がPGを狙ったものの決まらず、イーグルスは33-42で敗れ、勝ち点を獲得することはできなかった。




イーグルスはその後の他チームの試合結果により、目標としていたプレーオフトーナメントへの進出を逃した。しかし下を向くことなく、最後まで自分たちのスタイルを貫いて勝利を追求し続ける。

最終節はセカンダリーホストエリアの大分県、昭和電工ドーム大分でのホストゲーム。今季のラストゲームでNECグリーンロケッツ東葛に圧勝し、イーグルスの勇姿をファンに披露してシーズンを締めくくる。
<選手・監督インタビュー>
■沢木敬介監督

なかなかリズムに乗れなかったのが今日の敗因です。内容的には我々のラグビーができている時間帯もあった一方でそうでない時間帯もあり、一貫して高いクオリティが出せませんでした。これだけラインアウトが獲得できないとどのチームにも勝てません。準備の段階で選手に落とし込めていなかった我々コーチングスタッフの責任です。最後のPG選択の場面は、そのような状況になった過程によるもので(小倉)順平の責任ではありません。残念な結果ですがまだ試合は残っていますので、次に向けてしっかり成長できるようなゲームにしたいと思います。
■SO田村優キャプテン

強い相手と敵地での対戦ということで、苦しい展開になることは予想していました。まだ勝つだけの実力がないのかもしれない、というのが率直な感想です。セットピースでプレッシャーを受けるだろうとは想定していましたので、アンストラクチャーのシチュエーションから(トライを)獲れればと考えていました。ハーフ団としてはミスを引きずらず、プレッシャーを受けても常に解決策を持てるように、という点を意識していましたが、神戸さんのモメンタムを作る力とスキルの高さを感じました。トップ4はまだ早い、そんなに甘くはないと感じています。